貴重な日本の市民暴動
2005年2月9日券もらったので映画上映会観にいった。
「草の乱」という、秩父事件を描いた邦画。主演の緒方直人が渋かった。 ストーリー。舞台は明治初期の埼玉県。近代産業が市場を襲い、農村の生糸の値が暴落。農民は高利貸しの借金にも苦しんでいた。役所も裁判所も農民の味方はしない。しかし板垣退助率いる自由党の自由民権運動もまた盛り上がりを見せていた。秩父の自由党の一部は困民党を名乗り、悪質高利貸しから農民を救う活動をしていたが、弾圧は厳しさを増す。自由党そのものも解党しする中で、ついに秩父困民党は武装蜂起を決意する。
何にも分からない農民たちを先導するために地域の有力者・勇士を少しずつ集めて組織をつくってゆく過程は見物。ワクワクした。「借金を無くせるなら」「専政政府を倒せるのなら」「共和制国家樹立を」など大小様々な夢を持ち合い、雑多ながら団結してゆく様は、うまくまとまるのかなあとドキドキ。当初は全国同時多発クーデターを狙うんだけど、今と違ってITも何もないからうまく連携をとれずに秩父は孤立してしまう。さらに、一部の農民が情報を漏らしてしまったり、早まって先走ってしまったりして、充分な準備が出来ないままクーデターは始まってしまう。金貸しの家を焼いたり警察署を襲ったりしてとりあえず成功するんだけど結局行き詰まる。「この先どうするんだ?」という声が出てくる。
そして軍隊と衝突になる。農民たちも頑張って部隊を組織化してるんだけど、やっぱり近代戦闘法との差が出てくる。さらに、捕虜を扱いが甘くて、部隊長を斬られてしまい、大パニックになって部隊がバラバラになってしまう。しょせん、農民組織にすぎなかったのだ。
クーデターは鎮圧されて終わる。 名のある俳優も使ってたし、エキストラの数もすごかった。ほんとに進軍シーンは雰囲気あった。なかなかいい映画だった。
命をかけて、困窮する農民たちを救おうとしたのもまた、多少豊かな知識人層だったことも、少し考えさせられる。強い者が弱い者を守ることって、やっぱ大事です。ウルトラマンもそうなんだよな。
今はもう権力の支配も複雑なものになってるけど、当時の農民にとっては武装蜂起しかしようがなかったわけで、しなくてもしても死ぬという時代だったわけだ。現代人は豊かな奴隷だから生きていられるけど。まあつまり平和になったということなんだろうね。豊かさによる平和。 しかしあんな時代にもサラ金みたいのがあって、裁判所が資産差し押さえて、警察も法も庶民を守らず、首をつったり。仕組みは今と大して変わりないなあと思った。 豊かさだけが現代人を支えているなら、蜂起すら出来なくなった現代人の方が、心は折れやすいかも。次の経済危機あたりには日本は地獄を見るだろうよ。
「草の乱」という、秩父事件を描いた邦画。主演の緒方直人が渋かった。 ストーリー。舞台は明治初期の埼玉県。近代産業が市場を襲い、農村の生糸の値が暴落。農民は高利貸しの借金にも苦しんでいた。役所も裁判所も農民の味方はしない。しかし板垣退助率いる自由党の自由民権運動もまた盛り上がりを見せていた。秩父の自由党の一部は困民党を名乗り、悪質高利貸しから農民を救う活動をしていたが、弾圧は厳しさを増す。自由党そのものも解党しする中で、ついに秩父困民党は武装蜂起を決意する。
何にも分からない農民たちを先導するために地域の有力者・勇士を少しずつ集めて組織をつくってゆく過程は見物。ワクワクした。「借金を無くせるなら」「専政政府を倒せるのなら」「共和制国家樹立を」など大小様々な夢を持ち合い、雑多ながら団結してゆく様は、うまくまとまるのかなあとドキドキ。当初は全国同時多発クーデターを狙うんだけど、今と違ってITも何もないからうまく連携をとれずに秩父は孤立してしまう。さらに、一部の農民が情報を漏らしてしまったり、早まって先走ってしまったりして、充分な準備が出来ないままクーデターは始まってしまう。金貸しの家を焼いたり警察署を襲ったりしてとりあえず成功するんだけど結局行き詰まる。「この先どうするんだ?」という声が出てくる。
そして軍隊と衝突になる。農民たちも頑張って部隊を組織化してるんだけど、やっぱり近代戦闘法との差が出てくる。さらに、捕虜を扱いが甘くて、部隊長を斬られてしまい、大パニックになって部隊がバラバラになってしまう。しょせん、農民組織にすぎなかったのだ。
クーデターは鎮圧されて終わる。 名のある俳優も使ってたし、エキストラの数もすごかった。ほんとに進軍シーンは雰囲気あった。なかなかいい映画だった。
命をかけて、困窮する農民たちを救おうとしたのもまた、多少豊かな知識人層だったことも、少し考えさせられる。強い者が弱い者を守ることって、やっぱ大事です。ウルトラマンもそうなんだよな。
今はもう権力の支配も複雑なものになってるけど、当時の農民にとっては武装蜂起しかしようがなかったわけで、しなくてもしても死ぬという時代だったわけだ。現代人は豊かな奴隷だから生きていられるけど。まあつまり平和になったということなんだろうね。豊かさによる平和。 しかしあんな時代にもサラ金みたいのがあって、裁判所が資産差し押さえて、警察も法も庶民を守らず、首をつったり。仕組みは今と大して変わりないなあと思った。 豊かさだけが現代人を支えているなら、蜂起すら出来なくなった現代人の方が、心は折れやすいかも。次の経済危機あたりには日本は地獄を見るだろうよ。
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