パラサイト

2005年3月2日
ある作家のコラムで知ったのだが、所謂パラサイトシングルと呼ばれる「未婚で親と同居している若者」らが、もしも結婚してその多くが自立し実家を出ることになれば、すごい住宅需要が見込まれかなりの経済効果になるらしい。なぜかっつうと、彼らは住居費、食費、光熱費、車、家具、家電等々、基礎的消費をせずに、IT機器、ファッション、ブランド、グッズ、グルメやイベント、旅行などに浪費するようなライフスタイルだからだということだ(これは何故だろう?単純に基礎的消費の方が効率よく経済が回転するということか?)。しかし残念ながら高度成長後に産み落とされた世代は「豊かさ」を求めるからこそ結婚もしないし子どもも作らない。結婚して家を出ることが「豊かさ」を損なうこととして皆自覚しているということだ。気ままな独身貴族生活を、家賃も伴わない実家で謳歌しているパラサイトシングルは実に合理的に消費生活を営んでいるともいえる。だけどその「豊かさ」ってなんだろうか?せいぜい8畳くらいの自室で好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観たりすることかな。好きなだけ趣味にお金かけることかな。底なしの欲望を刺激されつつ、乏しい労働賃金で、途上国の何千倍もの「豊かさ」を「つつましく」食い潰すことかな。結局は高度成長以前の「貧しさ」のはねかえりなのだ。僕には現代消費社会が、商業主義に侵された悲しい豊かさにも思えてならない。本当は、ちゃんと結婚して家庭をつくって、金なんかそんなに稼がなくてもいいから、家族や友達とたくさんたくさん時間を過ごすことの方が、たとえ貧しくてもどんなに幸せだろうかと思う。 パラサイトシングルだけじゃないけど、日本経済の歩みは、これまでにあった大事なものをたくさん壊してしまったような気がします。それでもまだまだ立ち止まれないのかな。回顧するだけで。
生きる上で、欲望と希望は同じようなものだ。インセンティブというのかな。それが、多様になってきているだけでなく、歪んだものにもなってきているように思う。間違いなく何かのツケだと思う。 平成大不況も、実はそういう流れなんじゃないのかなとも思う。「自立」ってなんなのかな、とも思う。

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