takebono日帰り旅行記
2005年3月26日 旅行早朝、早起きして総武本線で一路千葉方面へ。サッカー観戦を兼ねて鹿島方面を旅行しようと思ったのだ。動機付けがハッキリしてるとき、強い意志にあるとき、僕は行動が積極的になる。成田駅で成田線に乗り換え。3分乗り継ぎにももはや慌てることもなくなった。電車旅にももう慣れたもんだ。
香取という無人駅で途中下車。有名な香取神宮に向かおうとしたら逆方面に歩いてしまっていて、利根川の土手に出た。まだ朝なので人一人いない。風の音と鳥の声しかしない。青空の下、ずっとここにいたいと思ってしまった。静かな場所ってだいすきだ。道を間違えたおかげでこんな素敵な場所に出会えたりする。これが独り旅の醍醐味ってやつだな。 さていい加減に香取神宮に向かい直す。裏山の奥の方に香取神宮はあった。相変わらず歩いてても人の気配がなかったのに、境内には掃除をする人(神官?巫女さん?)がたくさんいた。本殿(重要文化財)は1700年(元禄13)に、徳川第5代将軍綱吉が造営した三間社流造。同年に造られた朱塗りの楼門(重要文化財)には、あの東郷平八郎の額が掛かっている、ということで、まあ要するに右翼の方々にとって大切な施設なのだなと思った。どうりで、こんなへんぴな場所にもかかわらず人たくさん雇って運営してるなと。 大鳥居の写真を撮ろうとしてフレームに収まりきらず後ろに後ずさりをしたら、植え込みの垣根のところまで下がってしまった。そしたら売店のおばちゃんが向こうから歩いてきて(もちろん僕の姿には気付いていない、いや気付いていたのか?)、大鳥居の前で立ち止まったかと思うと、大鳥居に向かって(或いは本殿に向かっていたのかも)直立姿勢をとり所謂〈気をつけー〉をし、深々と一礼したのだ。まるで誰もいない檀上に、ただ日の丸に向かって拝礼するどこぞやの学校長のように。神宮とか神社とかって、普通こういうもんなのかな。でもまるで軍人のような拝礼を見せたのが、普通の売店のおばちゃんなのだから、少し滑稽で興味深かった。 そんなことをしてたら一時間一本の電車に乗り遅れそうになって、誰もいない朝の道路を走った。意外と走れるもんだ。去年より体力はついてる。無人駅に田舎臭い女の子が、たぶん彼女なりのオシャレをして一人で電車待って座ってたから、話しかけようと思ったけど走って疲れてたからやめた。あの子はこれから都心の方まで出掛けて土曜の午後を過ごすのかな、と思った。
鹿島線という3両編成電車で鹿島神宮に向かう。鹿島神宮駅前はジオスがあったけどコンビニが一つもなかった。鹿島神宮にも立ち寄ってきた。もう昼近くだったので人も結構いた。
試合のある日だけ臨時駅として機能する「鹿島サッカースタジアム」駅への電車は、キックオフ3時間前に動き始める。駅はホームに駅員がいるだけのもので、目の前はスタジアムだった。こじんまりとしてるけど、へんぴなところにあるぶん、いくら騒いでもいいかんじなのだろう。キックオフ3時間前だというのにホームサポータースタンドへのゲートは長蛇の列。入り口で荷物検査をされて、ペットボトルのキャップだけ回収された。たぶん中身入ったまま投げる人がいて危険だからだということなのだろうけど、キャップ回収しただけじゃ意味ないように思う。不便になるだけだ。国立では紙コップに移し替える作業が行われていたが、それが面倒になっただけか、いい加減だなと思った。スタンドはジリジリと太陽が熱かったけど、カシマスタジアムの特徴として、午後には日陰が出来て寒くなった。タコ焼きと豚汁を食べた。キックオフまでの余興として、グラウンドでは子どもたちのフットサル大会が催されていて、我が子を応援するお母さんたちが絶叫していた。「奪え!奪っちまえよー!ああー!もうー!」サポーターってたぶんこういうのが原点。その選手に、チームに、肩入れする気持ち。誰にとっても我が子のように、選手たちを応援するのだろう。
試合開始時間が迫るとともに、僕の周りは混んできた。それもそのはず今日座ったのはゴールネット裏のホームサポーター席だ。所謂騒ぎまくる応援席だ。野球で言えば外野の真ん中の方だ。一回この雰囲気を楽しんでみたかったのだ。向こうの、対戦相手名古屋グランパスのサポーターズシートは閑散としている。TVでしか観たことのなかったアントラーズ大応援団は真っ赤な応援旗を何本も振り回して「カシーマアントラッズ!」の大合唱だ。
いよいよキックオフ。代表組を欠いたスタメンイレブンは酷いものだ。こりゃ苦しい展開になるな。そのときアントラーズの応援団長みたいな格好したおっさんが大声で「座って応援する人は向こう(アウェイ側)行ってー!」とか叫んだ。おい、ふざけろって、金払って来てるのに、何でそんなこと言うの?おっさんは要するに全員総立ち絶叫応援を強制していたのだ。ホームサポーター席では俺らのやり方やらない人はいらないんだよ、みたいな顔つきで。 でも子どももいればお年寄りもいるんだぞ。イングランドじゃあるまいし、フーリガンみたいなガイキチサポーターばかりじゃないんだJリーグは。誰もが選手のプレーに酔いしれ、それぞれのやり方でサッカー観戦を楽しむ権利があるんだ。強制は大嫌いだ。そのおっさんにイラッとした僕は「ふざけんな!お前が消えろ!」と叫ぼうとした矢先に、一人の勇気あるおばさんがそのおっさんに文句を言った。おっさんは苦笑いで引き下がった。応援も熱が入りすぎると嫌なものだ。サッカーを純粋に楽しめなくなる。
キックオフ!しかし小笠原、本山、曽ヶ端、中田浩、鈴木、と代表組をやたら欠いたアントラーズイレブンは2軍に等しい弱さだった。これほどまで、と思うほどに全くボールがつながらず、前半15分あっさり失点。こりゃ負けだ。応援席からも「なにやってんだよー!」と罵声。それでも「カシーマアントラッズ!」の大合唱。さっきのおっさんのこともあって、絶対立たないと思ってた僕も、立ち上がって応援。代表組がいなくても戦える所を見せてくれアントラーズ! まさかまさかの前半終了間際、フェルナンドのFKが名古屋ゴールに突き刺さる!同点!よっしゃ!総立ち!絶叫!歓喜!
後半開始。相変わらず酷いサッカー。だが名古屋に退場者が出てからは猛攻開始!しかし控えFW野沢のCKが面白いように失敗し続ける。もうロスタイム。あのおっさんも最後まで叫んでいる。「カシーマアントラッズ!」そして!まさかの!鹿島の《救世主》アレックス・ミネイロがゴール前のこぼれ球を豪快に叩き込んだ!!アントラーズ土壇場で逆転!ホームゲームには嬉しいドラマチックな試合に終わった。大絶叫!「カシーマアントラッズ!」「カシーマアントラッズ!」大揺れに揺れる応援旗、タオル、赤の波!波!波!いやいや楽しかった。
帰り、せっかくだからどっかうろついていこうかと思ったけど、夜になってお腹も空いたので帰宅した。素敵な日帰り旅行でした。またサッカー観にいくぞカシマスタジアム。
香取という無人駅で途中下車。有名な香取神宮に向かおうとしたら逆方面に歩いてしまっていて、利根川の土手に出た。まだ朝なので人一人いない。風の音と鳥の声しかしない。青空の下、ずっとここにいたいと思ってしまった。静かな場所ってだいすきだ。道を間違えたおかげでこんな素敵な場所に出会えたりする。これが独り旅の醍醐味ってやつだな。 さていい加減に香取神宮に向かい直す。裏山の奥の方に香取神宮はあった。相変わらず歩いてても人の気配がなかったのに、境内には掃除をする人(神官?巫女さん?)がたくさんいた。本殿(重要文化財)は1700年(元禄13)に、徳川第5代将軍綱吉が造営した三間社流造。同年に造られた朱塗りの楼門(重要文化財)には、あの東郷平八郎の額が掛かっている、ということで、まあ要するに右翼の方々にとって大切な施設なのだなと思った。どうりで、こんなへんぴな場所にもかかわらず人たくさん雇って運営してるなと。 大鳥居の写真を撮ろうとしてフレームに収まりきらず後ろに後ずさりをしたら、植え込みの垣根のところまで下がってしまった。そしたら売店のおばちゃんが向こうから歩いてきて(もちろん僕の姿には気付いていない、いや気付いていたのか?)、大鳥居の前で立ち止まったかと思うと、大鳥居に向かって(或いは本殿に向かっていたのかも)直立姿勢をとり所謂〈気をつけー〉をし、深々と一礼したのだ。まるで誰もいない檀上に、ただ日の丸に向かって拝礼するどこぞやの学校長のように。神宮とか神社とかって、普通こういうもんなのかな。でもまるで軍人のような拝礼を見せたのが、普通の売店のおばちゃんなのだから、少し滑稽で興味深かった。 そんなことをしてたら一時間一本の電車に乗り遅れそうになって、誰もいない朝の道路を走った。意外と走れるもんだ。去年より体力はついてる。無人駅に田舎臭い女の子が、たぶん彼女なりのオシャレをして一人で電車待って座ってたから、話しかけようと思ったけど走って疲れてたからやめた。あの子はこれから都心の方まで出掛けて土曜の午後を過ごすのかな、と思った。
鹿島線という3両編成電車で鹿島神宮に向かう。鹿島神宮駅前はジオスがあったけどコンビニが一つもなかった。鹿島神宮にも立ち寄ってきた。もう昼近くだったので人も結構いた。
試合のある日だけ臨時駅として機能する「鹿島サッカースタジアム」駅への電車は、キックオフ3時間前に動き始める。駅はホームに駅員がいるだけのもので、目の前はスタジアムだった。こじんまりとしてるけど、へんぴなところにあるぶん、いくら騒いでもいいかんじなのだろう。キックオフ3時間前だというのにホームサポータースタンドへのゲートは長蛇の列。入り口で荷物検査をされて、ペットボトルのキャップだけ回収された。たぶん中身入ったまま投げる人がいて危険だからだということなのだろうけど、キャップ回収しただけじゃ意味ないように思う。不便になるだけだ。国立では紙コップに移し替える作業が行われていたが、それが面倒になっただけか、いい加減だなと思った。スタンドはジリジリと太陽が熱かったけど、カシマスタジアムの特徴として、午後には日陰が出来て寒くなった。タコ焼きと豚汁を食べた。キックオフまでの余興として、グラウンドでは子どもたちのフットサル大会が催されていて、我が子を応援するお母さんたちが絶叫していた。「奪え!奪っちまえよー!ああー!もうー!」サポーターってたぶんこういうのが原点。その選手に、チームに、肩入れする気持ち。誰にとっても我が子のように、選手たちを応援するのだろう。
試合開始時間が迫るとともに、僕の周りは混んできた。それもそのはず今日座ったのはゴールネット裏のホームサポーター席だ。所謂騒ぎまくる応援席だ。野球で言えば外野の真ん中の方だ。一回この雰囲気を楽しんでみたかったのだ。向こうの、対戦相手名古屋グランパスのサポーターズシートは閑散としている。TVでしか観たことのなかったアントラーズ大応援団は真っ赤な応援旗を何本も振り回して「カシーマアントラッズ!」の大合唱だ。
いよいよキックオフ。代表組を欠いたスタメンイレブンは酷いものだ。こりゃ苦しい展開になるな。そのときアントラーズの応援団長みたいな格好したおっさんが大声で「座って応援する人は向こう(アウェイ側)行ってー!」とか叫んだ。おい、ふざけろって、金払って来てるのに、何でそんなこと言うの?おっさんは要するに全員総立ち絶叫応援を強制していたのだ。ホームサポーター席では俺らのやり方やらない人はいらないんだよ、みたいな顔つきで。 でも子どももいればお年寄りもいるんだぞ。イングランドじゃあるまいし、フーリガンみたいなガイキチサポーターばかりじゃないんだJリーグは。誰もが選手のプレーに酔いしれ、それぞれのやり方でサッカー観戦を楽しむ権利があるんだ。強制は大嫌いだ。そのおっさんにイラッとした僕は「ふざけんな!お前が消えろ!」と叫ぼうとした矢先に、一人の勇気あるおばさんがそのおっさんに文句を言った。おっさんは苦笑いで引き下がった。応援も熱が入りすぎると嫌なものだ。サッカーを純粋に楽しめなくなる。
キックオフ!しかし小笠原、本山、曽ヶ端、中田浩、鈴木、と代表組をやたら欠いたアントラーズイレブンは2軍に等しい弱さだった。これほどまで、と思うほどに全くボールがつながらず、前半15分あっさり失点。こりゃ負けだ。応援席からも「なにやってんだよー!」と罵声。それでも「カシーマアントラッズ!」の大合唱。さっきのおっさんのこともあって、絶対立たないと思ってた僕も、立ち上がって応援。代表組がいなくても戦える所を見せてくれアントラーズ! まさかまさかの前半終了間際、フェルナンドのFKが名古屋ゴールに突き刺さる!同点!よっしゃ!総立ち!絶叫!歓喜!
後半開始。相変わらず酷いサッカー。だが名古屋に退場者が出てからは猛攻開始!しかし控えFW野沢のCKが面白いように失敗し続ける。もうロスタイム。あのおっさんも最後まで叫んでいる。「カシーマアントラッズ!」そして!まさかの!鹿島の《救世主》アレックス・ミネイロがゴール前のこぼれ球を豪快に叩き込んだ!!アントラーズ土壇場で逆転!ホームゲームには嬉しいドラマチックな試合に終わった。大絶叫!「カシーマアントラッズ!」「カシーマアントラッズ!」大揺れに揺れる応援旗、タオル、赤の波!波!波!いやいや楽しかった。
帰り、せっかくだからどっかうろついていこうかと思ったけど、夜になってお腹も空いたので帰宅した。素敵な日帰り旅行でした。またサッカー観にいくぞカシマスタジアム。
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