サッカーの神様
2005年4月6日僕がサッカーという球技に興味を持ち始めたのは中学校の頃だった。当時、体育の授業で毎時間サッカーをやっていて、いじめも対立も内包してる普通のクラスがその時間の中ではまた違くて、なんつうか所謂クラス一丸になっていて、金八みたいに。でもサッカーには特別な役割分担なんかないから、だから、結構下手も上手いもごっちゃになって、楽しかったんだ。サッカーボールは不規則不確実に転がる。走って追わなければならないから、走るだけで参加してる感じになる。そのくせこぼれ球というやつが案外足下に転がってきたりする。どんなに普段いきがってる奴も、悪ぶってる奴も、ドリブル突破しようとすれば結構止められちまう。あの、サッカーの持つ平等性が好きだった。加えて、ボールが繋ぐコミュニケーションが好きだった。サッカーって、繋がれるのだ。僕みたいなクズでも、楽しめるのだ。スポーツってやつは、本来平等であるべきなのに、どこかスポーツを楽しんではいけないような、部活も出来ず、群れにも馴染めず、でも、社会不適応の僕がたった一つ楽しめるスポーツが、それがサッカーだったのだ。
あるとき、ボール持った僕が囲まれて、やぶれかぶれで適当に蹴ったボールがうまいこと抜けて、クラスで嫌われていた非行少年Xがそれを拾ってゴールに叩き込んだ。アシストじゃん!そいつとハイタッチでもしようかと思ったけど、僕は彼のこと大嫌いだったからやめた。そいつも、僕の事なんて目もくれないで「ゴォォーール」とか一人で叫んでた。 でも僕はそのとき、サッカーを面白いと思った。社会に必要とされない者同士が、お互いに何の信頼も無い者同士が、一つのボールをつなぎながら、確かにコミュニケーションしていたのだ。奇妙な、どこか不思議な魅力を、サッカーに感じたのだった。何の期待もされない者同士がつないだこの一つのゴールは、何の価値があるのかといわれればそれまでだけど、なんか、スポーツってこういうものだろうと思ったのだ。派閥も諍いも、差別も偏見もなく、ただ純粋に、球技をやりたかったんだ本当は。でもクラスも部活も何もかものしがらみが嫌だった僕には、スポーツを楽しむ機会すらなかった。皮肉なことに、義務教育が終わった今、やっとスポーツを心から楽しめてる。R−SOMAというフットサルコミュニティーも、だからこそ出来たのだ。
あの非行少年Xは、最近振り込み詐欺で逮捕されたそうだ。暴力団が囲ってくれる以外に、社会が彼の受け皿を用意できなかったとしか言いようがない。彼個人にも、家庭にも、環境にも問題があったのだろうけど、でも僕らには何故か居場所がなかった。スポーツできる環境が無かった。何処にいたって何をしてたって、はみ出して、排除されてきたじゃないか。なんつか、誰にだって幸せに暮らす権利があるはずなのにな。彼がそんなこと考えてなかったとしても、どこか居場所のようなものがあったら…と思わざるを得ない。僕は、サッカーをする場所がほしかった。それだけで、救われたかもしれないのに。 あの一瞬だけ繋がったサッカーボールは、もう遠い思い出になってしまった。僕は、ボールを蹴り続けたい。何か、多くのことのためにも。
あるとき、ボール持った僕が囲まれて、やぶれかぶれで適当に蹴ったボールがうまいこと抜けて、クラスで嫌われていた非行少年Xがそれを拾ってゴールに叩き込んだ。アシストじゃん!そいつとハイタッチでもしようかと思ったけど、僕は彼のこと大嫌いだったからやめた。そいつも、僕の事なんて目もくれないで「ゴォォーール」とか一人で叫んでた。 でも僕はそのとき、サッカーを面白いと思った。社会に必要とされない者同士が、お互いに何の信頼も無い者同士が、一つのボールをつなぎながら、確かにコミュニケーションしていたのだ。奇妙な、どこか不思議な魅力を、サッカーに感じたのだった。何の期待もされない者同士がつないだこの一つのゴールは、何の価値があるのかといわれればそれまでだけど、なんか、スポーツってこういうものだろうと思ったのだ。派閥も諍いも、差別も偏見もなく、ただ純粋に、球技をやりたかったんだ本当は。でもクラスも部活も何もかものしがらみが嫌だった僕には、スポーツを楽しむ機会すらなかった。皮肉なことに、義務教育が終わった今、やっとスポーツを心から楽しめてる。R−SOMAというフットサルコミュニティーも、だからこそ出来たのだ。
あの非行少年Xは、最近振り込み詐欺で逮捕されたそうだ。暴力団が囲ってくれる以外に、社会が彼の受け皿を用意できなかったとしか言いようがない。彼個人にも、家庭にも、環境にも問題があったのだろうけど、でも僕らには何故か居場所がなかった。スポーツできる環境が無かった。何処にいたって何をしてたって、はみ出して、排除されてきたじゃないか。なんつか、誰にだって幸せに暮らす権利があるはずなのにな。彼がそんなこと考えてなかったとしても、どこか居場所のようなものがあったら…と思わざるを得ない。僕は、サッカーをする場所がほしかった。それだけで、救われたかもしれないのに。 あの一瞬だけ繋がったサッカーボールは、もう遠い思い出になってしまった。僕は、ボールを蹴り続けたい。何か、多くのことのためにも。
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