takebono母校に帰る

2005年5月26日
教育実習が始まった。まず朝、職員室で挨拶。視線が痛い。僕の高校生の頃の噂はどれくらい飛び交っているのだろう。何事もなければ、というような顔や、睨みつけるような視線もあった。クソッ…。でも仕方ないよ。過去は変えられない。積み上げるしかない。納得させるくらいの誠実な取り組みを、ソウルで見せつけてやるしかない。M先生の言ってた通りのベターな挨拶で決めることが出来た。その後、担当教官の先生の授業を見学させてもらった。テスト返却だから授業開始30分頃来てと言われて行って、教室は騒がしかった。私語私語私語の嵐。ちゃんと真面目に静かにしてる生徒もいるけれど、後ろ向いちゃってる生徒もいた。こいつら、きっちり高校生してやがるなと思った。生徒の前で紹介してもらったときは緊張してうまく話せなかった。でもよく見ればホント幼い顔が並んでいて、何か実感が沸いた。こいつらのソウルにどれだけ響かせることが出来るのかなと。
4限はアセンブリーとかいう全体集会のようなもので、避難訓練の雑用を手伝わされた。教頭は教師使いが荒い。しかし、暑い中でよく高校生どもは我慢してこんなことやってやがるなと思った。一斉蜂起しろよ、と思った。ダラダラしながら、文句言いながら、ちゃんと参加してやがるんだ。クソ暑い中で、部活の表彰とか、生徒会役員選挙とか行われてて、早く終われよと思った。でも、数年前僕もあの中にいたのだ。その実感、感覚を、だんだん僕は忘れかけている。そのことに気付く。子どもの感覚、あの感覚、あの世界観、もう取り戻すことは叶わないのだ。大人は子どもを忘れてゆく。言い切れる。絶対忘れてゆく。それでも語りかけることは出来るし、響かなかったとしても共存は出来る。叶わぬエゴに、「子どもが見えなくなった」なんて嘆きは愚かだ。必死に思い出そうとしたけど思い出せなかった。でもそれはきっとそれでいいのだ。
担当教官の手違いもあって、早くも明日から授業実習をすることになった。まじかよって。50分の通しは模擬授業でもやったことがないから焦った。果たして僕のソウルは高校生どもに通用するのか。早くも審判が下されるようで、余裕がなかった。やばいやばいやばい。びびることにびびっても、仕方ないんだけど、びびるしか出来なかった。
明日、早くも教壇が待ちかまえている。僕は50分間の授業をする。何が出来るのか。何が出来ないのだろうか。チョークを持つ手は震えるだろうか。いろんなことを考えて、クタクタの一日が終わった。栄光はまだ始まったばかりだ。

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