たまには世界を憂うとき?
2005年7月2日 戯言戯言諸々その他牛のエサにするために世界市場に流通する穀物が不足している。豊かな国の人間が食う肉商品の確保のために、「飢え」はなくならないのだ。そして、やはり飢餓の正体はそれだけじゃない。人間が人間を殺す構造の構造たる部分、多くの人が知らなければならない現実とは、それは一部の人間たちによる穀物市場の支配である。
アメリカ農業が、その広大な土地と、悪魔のような科学技術と効率型大量生産システムを駆使して、狂ったように穀物を生産した結果、穀物は自給率を遙かに超え吐いて捨てるほど余った。この過剰生産分をアメリカは輸出に回している。世界の穀物輸出総量の中でアメリカの穀物輸出がどれくらい占めているか知ってるかい?とあのY先生は僕に語りかけた。実際にデータを調べた僕は、アメリカの穀物輸出がなんと世界の穀物輸出総量の半分近くを占めていることを知った。とうもろこし、大豆、小麦…世界の人々の胃袋をまさにアメリカは握っているのだ。日本を殺すには、経済制裁で例えば大豆を止めてしまえば、日本食に欠かせない味噌、醤油、豆腐…日本は全部失うことになる。経済は大ダメージ。この国際経済社会の中そんなことは起きないだろうが、それでも日本はアメリカに命を握られていることは確かだ。何しろ日本は貿易しないと飢え死にする国だから。
では、世界の穀物総輸出をアメリカが半分制圧しちゃってるということがどういうことなのか。そう、独占状態だ。この世の全てのものは売られている。その売り物を半分も制圧すれば、市場を支配し、市場価格をも操ることが可能なのだ。需要と供給という資本主義市場原則を、資本主義市場原理が裏切った形。今や資本主義は自らを統制できなくなった。そうだ、これがいわゆる価格操作ってやつだ。「利潤の集中」が、需要と供給という「神の手」を否定する。円ドルや株のように、農産物もまた投機の対象になった。過剰生産された穀物は、でっけえ輸出入業務用貯蔵倉庫に入れられ、その倉庫にため込んだ穀物を、世界に向けてどれくらい流すか調節されている。儲けるためにだ。もし、ため込んだ穀物を小出しにするような、巨大な「在庫隠し」を行えば、人為的な穀物不足を作り出すことができ、世界の穀物価格を急騰させることもできる。逆に、ため込んだ穀物を大量に世界へ流出させれば、人為的な穀物過剰を作り出し、穀物価格を暴落させることもできる。世界の穀物輸出量を独占するとはそういうことなのだ。そんなこと出来る奴らがいるのかって?いるんだ。怪物みてえな奴らが。穀物の国際取引を支配している奴ら…「穀物メジャー」という超大企業の連中だ。こいつらは一握りの連中だが、想像を絶する力を持っていて、株式も公開してないらしいから、正体は謎に包まれている。とにかくも、こいつらの思惑によって、世界の穀物価格は左右されている。こいつらは価格操作で儲けることしか考えていない。どこかの世界で「飢え」で苦しんでいる多くの人々のことなど何も考えちゃいない。国連や援助団体、飢えに苦しむ国々は、穀物メジャーに左右された価格で穀物を買わなければならない。儲けるためだけに奴らは穀物をため込んでいる。儲けるためだけに奴らは穀物を牛に食わせている。作った穀物を全部世界市場に流出させれば、助かる人々がどれだけいるのかって。一部の人間達が儲けるためだけに「飢え」はなくならないのだ。
金八先生が前に言ってたね。「全世界の人々を養うだけの食べ物は既に地球上に存在する。だけど、なぜ飢える人はなくならないのか、皆で考えてみよう」と。
いま世界では、一部の人間達の思惑のために、何億人かが飢えている。人が人を殺す構造ができちまってる。それは僕らが「食べ物を粗末にしない」ことで済む問題じゃない。僕らが毎日を誠実に生きることで済む問題じゃない。だけどさ、だけど、僕らが何か考えないといけないんじゃないかってホントは思う。おかしいぜこの世は。飽食と飢餓。過労と浪費。食って吐いて、破壊して創造して…死ぬまでこんな世界かよって思うと死にたくなる。人間は愚かで、弱い。希望はあるんだろうか。まあ、あるから生きてるんだけどね。久しぶりにNちゃんに会って話してどこかホッとして、だけど今この瞬間も飢え死にしてる人がいることを、やっぱり忘れることは出来なくて、それでも蒸し暑い夜のビールを美味しいと思いました。それも人間らしさなのだと、やはり思えるのです。
−つづく−
アメリカ農業が、その広大な土地と、悪魔のような科学技術と効率型大量生産システムを駆使して、狂ったように穀物を生産した結果、穀物は自給率を遙かに超え吐いて捨てるほど余った。この過剰生産分をアメリカは輸出に回している。世界の穀物輸出総量の中でアメリカの穀物輸出がどれくらい占めているか知ってるかい?とあのY先生は僕に語りかけた。実際にデータを調べた僕は、アメリカの穀物輸出がなんと世界の穀物輸出総量の半分近くを占めていることを知った。とうもろこし、大豆、小麦…世界の人々の胃袋をまさにアメリカは握っているのだ。日本を殺すには、経済制裁で例えば大豆を止めてしまえば、日本食に欠かせない味噌、醤油、豆腐…日本は全部失うことになる。経済は大ダメージ。この国際経済社会の中そんなことは起きないだろうが、それでも日本はアメリカに命を握られていることは確かだ。何しろ日本は貿易しないと飢え死にする国だから。
では、世界の穀物総輸出をアメリカが半分制圧しちゃってるということがどういうことなのか。そう、独占状態だ。この世の全てのものは売られている。その売り物を半分も制圧すれば、市場を支配し、市場価格をも操ることが可能なのだ。需要と供給という資本主義市場原則を、資本主義市場原理が裏切った形。今や資本主義は自らを統制できなくなった。そうだ、これがいわゆる価格操作ってやつだ。「利潤の集中」が、需要と供給という「神の手」を否定する。円ドルや株のように、農産物もまた投機の対象になった。過剰生産された穀物は、でっけえ輸出入業務用貯蔵倉庫に入れられ、その倉庫にため込んだ穀物を、世界に向けてどれくらい流すか調節されている。儲けるためにだ。もし、ため込んだ穀物を小出しにするような、巨大な「在庫隠し」を行えば、人為的な穀物不足を作り出すことができ、世界の穀物価格を急騰させることもできる。逆に、ため込んだ穀物を大量に世界へ流出させれば、人為的な穀物過剰を作り出し、穀物価格を暴落させることもできる。世界の穀物輸出量を独占するとはそういうことなのだ。そんなこと出来る奴らがいるのかって?いるんだ。怪物みてえな奴らが。穀物の国際取引を支配している奴ら…「穀物メジャー」という超大企業の連中だ。こいつらは一握りの連中だが、想像を絶する力を持っていて、株式も公開してないらしいから、正体は謎に包まれている。とにかくも、こいつらの思惑によって、世界の穀物価格は左右されている。こいつらは価格操作で儲けることしか考えていない。どこかの世界で「飢え」で苦しんでいる多くの人々のことなど何も考えちゃいない。国連や援助団体、飢えに苦しむ国々は、穀物メジャーに左右された価格で穀物を買わなければならない。儲けるためだけに奴らは穀物をため込んでいる。儲けるためだけに奴らは穀物を牛に食わせている。作った穀物を全部世界市場に流出させれば、助かる人々がどれだけいるのかって。一部の人間達が儲けるためだけに「飢え」はなくならないのだ。
金八先生が前に言ってたね。「全世界の人々を養うだけの食べ物は既に地球上に存在する。だけど、なぜ飢える人はなくならないのか、皆で考えてみよう」と。
いま世界では、一部の人間達の思惑のために、何億人かが飢えている。人が人を殺す構造ができちまってる。それは僕らが「食べ物を粗末にしない」ことで済む問題じゃない。僕らが毎日を誠実に生きることで済む問題じゃない。だけどさ、だけど、僕らが何か考えないといけないんじゃないかってホントは思う。おかしいぜこの世は。飽食と飢餓。過労と浪費。食って吐いて、破壊して創造して…死ぬまでこんな世界かよって思うと死にたくなる。人間は愚かで、弱い。希望はあるんだろうか。まあ、あるから生きてるんだけどね。久しぶりにNちゃんに会って話してどこかホッとして、だけど今この瞬間も飢え死にしてる人がいることを、やっぱり忘れることは出来なくて、それでも蒸し暑い夜のビールを美味しいと思いました。それも人間らしさなのだと、やはり思えるのです。
−つづく−
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