試験終わってからも随分読んだぞ。小説はいいなあ。
本多考好という人の「真夜中の5分前」というのを読みました。「side−A」と「side−B」の2冊とも読みました。これは切ないなあ。
−死んだ恋人の癖だった、5分前の世界。最初で最後の恋人を亡くした僕は、それでも生きていた。ちっぽけな恋がいつしかかけがえのない愛に変わるとき、そして時間が何もかもを忘却させていくとき、僕は立ち止まりもせずに時をいつしか止めていたのだ。僕は失うことから逃げていた。なぜ僕は生きてるのだろう。なぜ僕はそこから動けないのだろう。それはきっとあれが愛だったから。愛というものが例えどんなものであっても…人はそれを愛と呼ぶ。真夜中の5分前に、人は誰かのことを想う。今日が去りゆく前のたった5分の間に、もう逢えないあの人のことを思い出したりするのだ…。  
大切な人がいなくなったらどうするって?恋だとか愛だとか、そういうほぼ無意味な肩書きも吹っ飛んで、喪失感の末に僕なんか泣き崩れちゃうだろうな。でも、崩壊することでその人を忘れちゃいそうだと思うなら、人は明日のために泣くのだと思うのなら(次にやってくる希望のために、いまを絶望することは必要だとも思う僕だが)、その人のためにだけ明日を捨て涙を流さない人だっているはずなのだろう。愛のために希望を捨てる。エゴが消える。なんて辛すぎるんだろ。騙せない。胸の中にいるから。それが愛なのか。

太宰の短編集を読みました。緻密な構成の中に、笑いと道化によって生きる苦しみを表現した太宰文学…か。でも僕には社会不適応者への精一杯の抵抗やエールにも思える。「ヴィヨンの妻」がダメ夫に言います。
「人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」
太宰はそれでも死んだけど。でも僕はまだ死なないけど、いつか自殺すんのかなあ。まあいつかだろう。その程度の自殺願望くらい誰でも持っとるさあ。
自殺を考え、トカトントン。

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