「ムーンライト松山」が出発したというのに乗車してる人がめっきり少なく、でもアナウンスが「満席」とほざいてるし、どういうことだと思っていたら、なるほど次の駅くらいからちらほらと人が乗り込んできました。おっちゃん連中がマウンテンバイク5台くらいかついで乗り込んできた。だらしなく通路に手を投げ出していた兄ちゃんにぶつかる。ガツッ!「ぃでっ!」「悪ぃ悪ぃ」面白いわあ。しかし置く場所ねえだろあれ。 そして注目の隣座席は、顔色の悪い兄ちゃんだった。超暗いの。あれじゃあな…。話しかけられなかったっす。 右前方に座ってた兄ちゃんは少年ジャンプくらいの大きさの時刻表読んでるし、その隣には自分よりでけえくらいのカバン背負った浮浪者みたいなバックパッカーの兄ちゃんがいて、大きすぎて荷物上の網棚に入らなくて、座席とカバンで圧死する格好になってて、ホント笑えたわ。 フランスパンみたいなでけえパンを食ってる兄ちゃんがいたりして。ホント夜行列車はイカれてそうな人々がたまにいて面白い。くせになる。

そして朝日が輝く頃にはついにtakebono四国入り。愛媛県・松山にやってまいりました。うん四国は雰囲気がいいな。さっそく歩き出す。僕の旅は経費節約貧乏旅行というのもあるけど基本的にどこまでも徒歩なのです。一昨年は石垣島を半周したところで足がオシャカになったからな。でも歩くのっていいんだわ。じっくりと一歩一歩、方向・体力・目的を、つまりは自分の歩みを確かめながら歩くのです。まさに人生を感じるじゃないか。
松山駅からまず歩きやってきたのは「子規堂」。そう、あの正岡子規のモニュメント。子規もまた四国だったっけ、と。
それから「銀天街」というアーケード商店街を歩きました。有名な松山銀天街はまだ早朝で目覚めておらず、静かでした。
銀天街を抜け、山の上の松山城に向かいます。ロープウェイかリフトを選択できるんだけど、どっちも無人だったので僕は貸しきり状態のロープウェイへ。そこへ7人くらいのじいさん集団がやってきて、どっちに乗るかでなにやらもめ始めた。せっかちな5人のじいさんがロープウェイが定間隔で出発する時間を待てなかったのだ。結局5人のじいさんはガンガンやってくるリフトに乗って行ってしまった。2人のじいさんはロープウェイに乗ったもののすぐに出発しないことに焦り出した。「まだー?人数揃わないと出発しねーんじゃねえのー?」しょうもねえ年寄りばかりだなあ。係のお姉さんが優しく対処。働く女性って素敵だなあ。そしてロープウェイは動き出してあっという間に、先行したリフト組のじいさん5人を追い抜いた。2人のじいさんは笑いが止まらない。しょうもねえ年寄りばかりだなあ。それにしてもロープウェイはまだそのスピードによる風があり涼しいのだが、あの遅いリフトはまさに日干し。この暑さで拷問状態。5人のじいさんが一人ずつリフトに乗せられ運ばれる姿は痛ましかった。 そんなこんなで辿り着いた松山城は全体的に改修工事中で、天守閣とか登れず、面白み半減でした。でも充分に日本のお城というものを堪能しました。すっげえな松山城は。山の頂上に立つ要塞だわ。
松山城を下った後は、あの有名な「道後温泉」に。うわまさに「坊ちゃん」の世界ですよ。道後公園で武家屋敷跡などを堪能してから早速温泉へ。湯は最高でした。
路面電車で駅へ戻ります。広島以来だわ路面電車。なんて情緒的だろう。
駅周辺でアンケート調査を求められました。旅行者だから意味ねえっすよって言ったのに、無理矢理。でも声かけてきたのがかわいらしい女性だったからね。見つけました松山美人。年齢を聞いたら20歳だって。はあ偉い、もう社会人なんだね。それに比べて僕は高等ルンペンか。そんなこと考えてたら肝心の写メ忘れました残念。せっかくの松山美人が…。
駅で特産名物のじゃこ天うどんを食べました。美味しかった。
そしてtakebono早くも松山を後にして高知に向かいます。そう、いま高知では年に一度の狂乱の祭り、あの「よさこい祭り」が行われてるからです。明日を逃したら終わりだったのでなんとしても今日中に高知へ。
予讃線で宇和島まで行き、そこから予土線(しまんとグリーンライン)とかいう3両ワンマン列車で進みます。そして土讃線に乗り換え進んでる頃には、窓の外は真っ暗。ホント、トンネルでもないのに。街灯一つ無えド田舎。列車内見渡せば車掌が一人、乗客は僕一人でした。恐え。うわ早く人が住む灯りが見たいなあ、なんて思ってたら、対抗列車の遅れとかで「スミマセンお客さん」真っ暗闇に列車ストップ。窓を見ると、虫っ。大量の虫たちが闇の中唯一光るこの列車の窓に群がり…まるで「ミクロイドS」状態。うげ最悪。僕と車掌はこんな闇の中でこの虫どもに殺られるんじゃないだろうか、なんて思った。でも車掌いい人だった。たった一人の乗客である僕に対して何度も「スミマセン」と頭を下げる。いい人だわこんな超ローカル線で。やっぱ最近の公共事業民営化系の改革に抵抗があるのはこういう側面でもあったりするなあ。
さあ日付変わる前に高知に降り立ちました。よさこい祭りの1日目が終わった後で、まだ余熱冷めやらぬ感じの夜の街。明日は2日目、よさこい最終日。高知県よ、明日は僕にソウルを見せてくれ! 旅はまだまだ続く。
−つづく−

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索