takebonoにおける前世紀でもあるティーン。その青春の色はセピアでもモノクロでもなく、漆黒の闇と、蒼い蒼い小鳥一匹いない成層圏のような青でした。ブルーダークの少年は、番外地のような場所を心の在処として、ただ不確かな衝動に自らを委ね、4次元に佇むように日々をやりすごし、未来など眼差したこともなく、優しさと強さとそれを包括した勇敢さのようなものに日々心を震わせ、または脅え、一喜一憂し、誇り、絶望し、そして揺れ動き揺れ動かされてあの時代を生きていたのでした。
いまあの頃の記憶が次々と蘇りそしてまた次々に消えていってます。生命は新しい段階に移るときにそんな現象を見せるのかもしれません。僕は何処かへ歩き出すために振り返ろうとしているのかも。こうやって誰もが未来へ歩み出すのかもしれないね。
真っ青な闇の中に在ったあの輝ける10代。跡形も無く消え去る前に思い出したものは、もうどれだけ思い返そうとしても不可能な追憶どもの中にあって、やはり僕の中に欠片ほど残っていた前世紀の最後の最後の映像なわけでした。 季節は巡り、過去は何かを残す。僕は幾つかの未だ色褪せぬ青い闇の記憶を、忘却する前に追懐しようとしている。

あの青き闇の時代。数少なき他者との出会いの中で、掛け替えのないものを見つけたことはあるだろうか?
今回は、時が過ぎ去るほんの一瞬だけ最強伝説を築いたそんな2人のクズの話だよ。


昨日、テニスのネットでバドミントンをしていて、ふとある遠い記憶が脳裏をよぎった。青白い顔をしたあいつがラケットを振り回す映像だ。
その青白い顔をしたHN君とは、あの底辺高校2年と3年の時に一緒のクラスになった。彼は、僕と違って毎日ちゃんと学校にくるくせに、誰とも一言も口をきかず、触れ合おうとせず、いつも休み時間は机に突っ伏して寝ていて、放課後は部活もやらず速攻で帰っちまい、彼が誰かと話している姿を誰も見たことがなく、話しかける奴も友達も一人もいないようなそんな奴だった。僕は生徒会もやっていたし、一応部活もやっていたし、言葉を交わす友達くらいはいたけど、HNは全く学校で独りぼっちで、完全シャットアウターで、みんなも別に干渉せずに彼を放っておいた。不登校しないひきこもり。どの学校にも一人くらいいるような、彼はそんな奴だった。
一度そんなHNをからかったバカがいて、そんときHNはものすげえ顔をして無言のままそいつを睨みつけたっけ。ものすげえ眼で、すげえ長い間。あんときその場にいた全員に戦慄が走るほどその眼は殺気に充ちていた。それ以来誰もHNをからかうことはなくなったんだけど、彼は相変わらず独りでいたのだった。
そんなHNと体育の時間に僕はテニスでダブルスを組まされた。僕も独りがすきだったし、本当はダブルスなんてやりたくなくて、人嫌いの僕にとってはかなりうざい時間がきたなあと思っていた。狭い校庭のコートの都合上シングル戦は少なかったのだ。まぁあいつらクズ同士で組ませときゃーいいじゃんーみたいな流れで、僕とHNでザ・くずペア結成!…はしたものの、HNは例のごとく一言も口聞いてくんねーし、はあ、なんでこんなことせなあかんのって僕はウンザリ思ったっけ。まあ外れ者同士、社会不適応者同士、別にお互い干渉し合うことも絶対にないから気楽だったのだけど。しかし運命は興味深く、その日そのときその時間の我々に、あるミラクルが起こったのでした。
【つづっく】

不定期なクズメモリブログ再開。

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