今回読んだ石田衣良作品は『波の上の魔術師』です。デジタルマネー戦争の話でしたが、やっぱ石田衣良作品おもしろいと思った。こないだ落ちた会社での最初の面接のとき面接官が言ってたけど、石田衣良氏の本名イシダイラ○○さんなんだってね。なるほどねー。
−株価という究極のランダムウオークは、おれたちが持つ感情という決して数式化できないもう一つのランダムウオークによって誘導される。魔術師とともにこの数字の波をものにするためには、無機質なアングロサクソン流合理主義をテイストに、カネ地獄に脅え悪魔と化した銀行をツールとして、二度と訪れないリアルを信じ、ミラクルなタイミングのディールこそにチャージすることだ。マーケットというジャングルが、デジタルマネーを壮絶に喰らい尽くす!若者よ、ソウルの波動を感じ続けよ!

不定期的に外国文学にも触れたりします。今回はトォマス・マンの『ヴェニスに死す』を読むのです。
−初老の小説家グスタァフ・アッシェンバッハは、芸術と自分の生活とのバランスを保ちながら、世間的な名声も既に手にする芸術家であった。ふと思い立って発った旅先で、彼はポーランド人の美しい少年に出会う。ヴェニスの街に恐るべき疫病が侵攻する中で、深まる少年への想いはアッシェンバッハの自己と芸術のバランスを喪失させてゆく。芸術という貪欲かつ恐怖なる神と、ギリシャ美を表す少年タッジオと、ヴェニスに取り憑かれたアッシェンバッハの精神とソウルの交流劇。

恐ろしいと噂に聞いた作品2冊目。ホラー小説大賞もとった岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』を読む。岡山地方の方言で「とても、恐い」という意味。うん結構恐いな。荒俣弘が講評してるけど、プロレタリア文学の残酷描写はもはやホラー並みであると。明治時代の地方農村のリアルな描写。確かにきょうてえ(恐い)ものがあるわね。
−「きょうてえきょうてえ夢を見りゃあせんじゃろか?」 岡山のとある遊郭で、客と遊女の寝物語が始まる。それは恐ろしい恐ろしい農村の話だった。 「それでもええて?…そんなら話そうか……」

山田悠介のデビュー作『リアル鬼ごっこ』を読みました。マンガ化もされたっけねこれ。10代の頃の作品はつたない文章で浅いですね。期待はずれの声も多いようですがネタ的にはすきです。
−「全国の“佐藤”姓を皆殺しにせよ!」 一人の狂った王様が発案した計画「リアル鬼ごっこ」とは、一日一時間ずつ7日間を全国500万人の“佐藤”さん達が、「鬼」から逃げまどうという国家主催のビッグイベント。捕まれば死。最終日まで逃げ切った者には王様が直々に一つだけ願い事を叶えてくれるという特典付き。あのタレントもあのスポーツ選手も、鬼ごっこに参加することになってしまった。 大学陸上部短距離界の新星・佐藤翼は、14年前に生き別れた妹・佐藤愛を探すため、「鬼」から逃げ切り生き残ることを誓う。 全ての人々の思いが交錯する中、いま壮絶な「鬼ごっこ」が開始される!

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