大手町の経団連ホールで東京新聞主催のシンポジウムがあったので行ってきました。「景気シンポジウム−少子化・増税、どうなる暮らし」とかいうやつでした。パネリストは、前財務相の塩川氏(「塩じい」ってなんか妖怪の名前みたいじゃね?)とか、経済同友会のお偉いさんだとか、大学教授とか。 なんというか、「どうなる暮らし」も今さらあったもんじゃねえだろとか思ったけど。格差拡大・不安定・下流化・腐敗政治・暴走市場・衰退社会…とか思ったけど。まあまあそれはいいとして。内容は大したことのないシンポジウムでした。満員だったけどオジサンオバサンばっかだし。若い世代を抜かしての「少子化」「増税」論議。あなた方はさぁ、自分の所有する有価証券や土地の心配しかしてないんじゃなかったのか。今さら「少子化」をどのような視点で憂いたりしちゃうの?「社会問題」だとかって思っちゃったりするの? 誰の?「暮らし」が?「どうなる」のか?なんて、いつだって知ったことではなかったんじゃないのか?

そんなこんなでふと僕は経済について考えてみようと思いました。今まであまり経済って触れるの難しかったから。で、考えてみると、全くの無知なわけです。わけわかんないんだよね経済の知識って。無知を露呈します。しかしその過程でもあります。基礎教養であるべきだったのにいつもわかんなかったのです。

経済というのは恐らく社会の基盤というか全てですよね。故に経済学です。社会を構成してる流れのようなものが見える感じが、少なくとももっと無知だった頃にはしたのです
経済学を真正面からやると、数字やグラフが多く出てきます。人の経済活動の根っこは、欲望や文化や集団心理とか個人的なものまでも関ってくるのに、数字的なもので切り取れるものなのかなあとか昔は漠然と思ってました。「限界効用逓減」のグラフとか見て、ハァ?とか思ったときもありました。要するに2杯目のビールは1杯目より満足度が小さくなるとか、回転寿司で食った10皿目は1皿目より満足度が小さいとか、ミクロ経済のそういうわかりやすい話にすればいいわけで、そしてそんなことは自明のことで、でもそこで、「その人の胃袋次第だろ」とか、「2杯目のビールには2杯目なりの満足度があるときもある」とか、そういう屁理屈は経済学ではカバーしないということ。胃袋や、ビールの好き嫌いも含めて、多様で複雑な人間そしてその社会というものの一般的経済活動パターンの枠組をおさえることが経済学だからです。基準を規定して切り取らなければ、その例外も見れないということなんだと。このしごく当たり前の前提にまず僕は長いことピンとこなかったの。
そしてまたイラつくのが、「ミクロ」「マクロ」に始まり、「雇用」「金融」「貿易」等々、経済学の分野ってのは多岐に渡ること。そして立場によっては主張する経済政策が異なるということもです。経済とは怪物のような生き物なわけで、誰もまだその完全な正体を掴んではいなくて、そんなことはやはり当たり前なのですが、現実目の前の経済世界と、経済学の論理のギャップとがあまりにも僕の中にはありすぎたの。だからイマイチピンとこなかった。無知ド素人の僕から見て、経済学はあまりにもそうだった。
そしてあとそれが机上の理論だったからというのがある。デフレやインフレの仕組み、マクロ政策の仕組みとか理解しても、実際には、目先だけ考えればデフレは雇用されてない消費者にとっては価格破壊で嬉しいわけで、自営の人には厳しいわけで、雇用者は嬉しい半面恐ろしいわけだ。つまり立場やレベルによってはホントに凄まじく考え方も違うからです。規制緩和だとか、M&Aがどうとか、初等教育でマネー経済教育をやるよとかっても、一般の末端雇用労働者たちやリストラの対象になるような立場にいる人たちは、情報公開がなされれば、そうゆうのはやっぱり冗談じゃねえぞオイと叫ぶように思うのです。「既得権」なんて一方ではその人たちの生活権利だからです。 つまるとこ、僕が何らかの思想を持ったり、或る立場に立ったり、客観的になれないような状況になればなるほど、経済学は理解しづらかったのです。だから、教科書的な一般的な経済学論理は、ある枠組として捉えなければならなかったわけです。「社会」を知ることと、「社会問題」を考えることが、全く違うことであるのと同じ事なわけでした。
或いは、「所有」に関する哲学的前提なども経済学はタッチしないということ。あくまで、主として取り扱うは「一般的」パターンなのです。
バブルが「根拠無き熱狂」なのなら、この世界全てがバブルみたいなものじゃないかよとか僕は昔思っていたし、そう、だから、自分の置かれた状況も相当に関ってくるのだということなのです、そう一方では。

結局よくわかんなかったのです。だから、ただ興味から入れば良かったんだよいつもそう。僕の興味なんて偏ってる。そしてそれでよかったんだよ。まず見切り発車なんだよそんなもん。いつだって僕は。
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