暇さえあれば小説を読んでるな。

◇舞城王太郎『阿修羅ガール』読んだ。お見事だわ、舞城ワルド。すげー。息もつかせない程のイカれた展開は、口を開けたまま読み切ってしまうような異次元スピード感に溢れてやがる。笑って呻いてドキドキして、こんな雰囲気を僕も小説で出したかったんだよなあ、とtakebonoさんガックシ。それにしても、これは悩み多き青少年にオススメの一冊。10代の中高生が読むと楽しいだろうなあ。
−調布の女子高生アイコ、同級生の金田陽治のことがずっと好き。でもアホの佐野明彦と、やってみたくてヤっちゃった。顔射フィニッシュは間一髪避けたけど、激減しちゃったのは自尊心。イラッとしたので顔面を蹴り上げて、そのままラブホに捨ててきたはずのあの佐野のバカが、その後誘拐されたッて。そんでもって、腐りかけた佐野の足の指が自宅に届けられちゃってサァ大騒ぎ。あたしは陽治とヤりたくて、一緒に事件を捜査することにしたのだった。 一方で、ここんとこ調布を騒がせてた「グルグル魔神」が、今回は幼い三つ子を殺してバラバラにして川辺に捨てたんだッて。ネット掲示板の《天の声》で、「グルグル魔神」の正体は中学生だ!とかってことになっちゃってて、「キッチン(厨房=中坊)狩り」っていうバカなのが始まった。調布の中学生たちが路上で無意味に殴られる現象を、それを止めようとする正義勢力も出現して、「狩り」と激突して、とうとう「アルマゲドン」が始まった。あたしはそんな喧騒の中で、何故か魔界を彷徨うことになってしまったりして。そんでもって、めでたく恋には破れたのでした。がんばれアイコ――あたし――阿修羅ガール・アイコ。

◇川端裕人『夏のロケット』読みました。ミステリか、SFか、青春モノなのか、なかなか面白かった。川端裕人はこれから読んでみよう。
−火星へ飛ばすロケットを作ろう――。高校時代、天文部で結成された「ロケット班」のメンバー5人は、かつてそんな夢を共有しあっていた仲間たちだった。10年後、新聞社の科学部担当記者になっていた僕は、過激派のミサイル爆破事件の取材の中で、かつての「ロケット班」の仲間たちの影を見る。あの日の5人は今尚宇宙を見つめていた。 非合法ロケットの打ち上げ計画が進む中で、かつて共に見たあの日の夢は、色褪せず、宇宙への道を切り開こうとする。宇宙に惹かれた大人達の、果てしなく飽くなき夢の続きが火星に放たれるとき、夏の夜空に人は星となった。
「僕たちが火星に行く日がくるのは、かなり遠い未来の話だということはよくわかっている。だから、その前にどうしても一回でもいいから地球を抜け出して宇宙空間に自分を置いてみたいと思っているんだ。そうすれば僕が何者で、何をするべきなのか、そして何を表現するべきなのかも全部わかってしまうような気がするんだよ。高野君は僕が宇宙に行きたいと思うことは無謀なことだと思うかな」
「僕だって行きたいんだ。全然無謀なことなんかじゃないよ」
「宇宙へ、行ってみたい」

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