ノベルを述べる45
今回からなるべく本の表紙を載せていこうと思います。


◇今回は恩田陸の『夜のピクニック』読みました。ずっと読みたかったのやっと読めました。確かこれはずっとずっと前にHが薦めてくれたんだっけ。とても面白かったです。ノスタルジーの魔術師ともいわれる恩田陸はなるほどさすがなのだ。
−みんなで夜歩く。たったそれだけのことなのに。どうして、それだけのことが、こんなに特別なことなんだろうね――。 北高伝統の行事「歩行祭」は、高校生活最後のイベントだ。母校を出発し、朝八時から翌朝八時まで歩き続け、ゴールを目指す。ある者は順位を競い、またある者は友と語り合いながら夜を歩く。誰もが高校生活を振り返りながら、最後の青春の思い出をこの夜に刻みつけるのである。そして貴子はこの小さな夜に小さな秘密の賭けをしていた。 親友と歩く。夜歩く。恋人と歩く。夜歩く。仲間と歩く。夜歩く。あの人と歩きたい。この夜を。その闇を永遠に焼き付けて、僕らは夜歩く。 いま、もう二度とやってこない夜がくる。もう二度と歩かない道を夜歩く。僕らのブルーダーク、高校生活最後の、夜のピクニックがやってくる。
「雑音だって、お前を作ってるんだよ。雑音はうるさいけど、やっぱ聞いておかなきゃなんない時だってあるんだよ。お前にはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。お前、いつか絶対、あの時聞いておけばよかったって後悔する日が来ると思う」

ノスタルジーの何たるか、青春の何たるかですね。すごくいい。すごく。小説にはこんな読ませ方もあるのだ。
絶対高校時代が懐かしくなる本ですね。

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