◇花村萬月『皆月』。

−「みんな、月でした」
謎めいた言葉を残し、なけなしの1千万の貯金と共に、妻は失踪した。
全てを失った四〇男・諏訪徳雄は、フリーヤクザの義弟とソープ嬢と共に、妻の行方を追って旅に出る。
愛に生き、愛に生かされ、その愛の果てにも、やはり愛があった。

「人間の性は、性欲を発散するためでもなく、子孫を残すためのものでもない。性の根元にあるのは、孤独だ。この世界にたった独りでいることに対する不安だ。…だから他人を求めるのだ」

暴力と。
セックスと。
言葉にならぬ感情。
切なさと優しさの。
エレジーのような。
生きることの。
喉の奥からの叫びのような。
人間というものを描く。

花村萬月か。
確かに。
ぐっとくるものがあるかもなあ。

コメント

nophoto
モリアーティ
2006年9月24日11:41

花村萬月、読みましたか。
人間の、汚さや醜いとこを描きながらも、人間を肯定してる・・・ような気がするわけで。
だから、俺に透明感は・・・ねぇ?

mura
mura
2006年9月24日20:03

なるほどなるほど。そう言われると気付くかも。
モリアーティさんぽいかも。
そっか。そういうとこが、どこか読んでて感じてた人間の優しさなのかな。

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