◇武者小路実篤『友情』。

−主人公・野島が愛した女・杉子は、密かに彼の親友を慕っていた。親友は一言も発さずに、ただ彼のためを思っていた。
青春は、恋と友情の間で揺れ動く。青春幻影プロトタイプノヴェル。ここに極まれり。

「あなたは何もかも御存知のくせして、無理にも友情をふるい起こしてその他のものをはらいのけようとなさっていらっしゃいます。…私はあなたの脇にいて、あなたを通じて世界のために働きたい、人生のために働きたい。私のこの願いをどうか、友情という石で叩き潰さないで下さい」
「お前は友情のない男だ」
「何とでも云え。俺は運命の与えてくれたものをとる。恐らく、友は最後の苦い杯を飲むことを運命から強いられてそこで彼は本当の彼として生きるだろう」

恋の素晴らしさ。その残酷さ。
友情の素晴らしさ。その残酷さ。
そして、運命に対しぶつかってゆく人間の在り方。
生きるって、誠実なほど、それは大変なことなのです。

野島。杉子。親友。三者三様の生と愛。あなたは3人の中の誰に一番共感しましたか? これ人によって違うだろうなあ。
読んだ人に聞いてみたいね。
そうね、僕は…。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索