◇藤原伊織の『テロリストのパラソル』。直木乱歩W受賞してんだ。おもしろかったわ。
−アル中バーテンダーの島村は、過去を隠しながら、新宿に20年間潜伏し生きていた。
ある日島村が立ち寄った新宿中央公園で、爆弾テロ事件が発生する。
爆発に巻き込まれた被害者の中に、昔の恋人と、かつての友がいた!?
失われた20年が運命の糸となり結びつく。
いつかの日の青空にも似た、孤独なテロリストの哀歌が響きわたる。
「我々が闘っていたのは一体なんなんだろう。…権力やスターリニストを超えたものだって気がしてきたんだ。いわゆる体制の問題じゃない。もちろん、イデオロギーですらない。
それは、この世界の悪意なんだ。
この世界が存在するための必要成分でさえある悪意。空気みたいにね。
その得体の知れないものは、僕らが何をやろうと無傷で生き残っている。
…結局、僕らがやっていたのは、ゲームだったんじゃないのかな。潰すか潰されるかみたいなゲームでもない。最初から負けはわかってた。そう決心して始めたゲームさ。
世界に不可欠な悪意が僕らを取り巻いて無傷でいる以上、もう手の打ちようが無いんだよ」
「これが宿命なんだよ、きっと。これがあの闘争を闘った僕らの世代の宿命だったんだ」
「私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きたきたんだ」
かつての闘争の時代ってのはきっと、右翼だって左翼だって、くるくる回すパラソルの下にいたんだろう。戦時下だってそうだったんかもしれない。
人は皆、孤独でどうしようもねえ、テロリストなのだな。
−アル中バーテンダーの島村は、過去を隠しながら、新宿に20年間潜伏し生きていた。
ある日島村が立ち寄った新宿中央公園で、爆弾テロ事件が発生する。
爆発に巻き込まれた被害者の中に、昔の恋人と、かつての友がいた!?
失われた20年が運命の糸となり結びつく。
いつかの日の青空にも似た、孤独なテロリストの哀歌が響きわたる。
「我々が闘っていたのは一体なんなんだろう。…権力やスターリニストを超えたものだって気がしてきたんだ。いわゆる体制の問題じゃない。もちろん、イデオロギーですらない。
それは、この世界の悪意なんだ。
この世界が存在するための必要成分でさえある悪意。空気みたいにね。
その得体の知れないものは、僕らが何をやろうと無傷で生き残っている。
…結局、僕らがやっていたのは、ゲームだったんじゃないのかな。潰すか潰されるかみたいなゲームでもない。最初から負けはわかってた。そう決心して始めたゲームさ。
世界に不可欠な悪意が僕らを取り巻いて無傷でいる以上、もう手の打ちようが無いんだよ」
「これが宿命なんだよ、きっと。これがあの闘争を闘った僕らの世代の宿命だったんだ」
「私たちは世代で生きてきたんじゃない。個人で生きたきたんだ」
かつての闘争の時代ってのはきっと、右翼だって左翼だって、くるくる回すパラソルの下にいたんだろう。戦時下だってそうだったんかもしれない。
人は皆、孤独でどうしようもねえ、テロリストなのだな。
コメント
ベビーになったりヒールになったり世代闘争やったり
外敵と戦ったりしても結局みんなプロレスをやってることに
変わりはねえんだってことか。