北島行徳『無敵のハンディキャップ―障害者が「プロレスラー」になった日』。
こないだ観に行った障害者プロレス団体「DOGLEGS」の歴史を、代表・北島行徳が綴った本。なるほどMM氏、これはおもしろい。読んでから観ればまた違った感動があっただろな。

「許されようなんて思わない」(byカイジ)

「しょうがいしゃ」も「けんじょうしゃ」もほんとうはいないよ、と。
ただ現実が僕らを切り離しているだけだと思う。
残酷すぎるのは、
人の痛みや苦しみを何一つもかえりみないリアル社会が、
同情と偽善という免罪符的な幕だけはしっかり被っているということ。

心が不自由なのは、僕らなのだろう。
僕もかつて障害者施設のボランティアをしていたことがある。当時、汚いなと思ったのは、
知的障害者のヨダレだけじゃなくて、
僕らがつくった僕らの社会そのものと、そこに生きる僕らのよくできたエセヒューマニストぶりだった。

「平等」「理解」という大差別。
現実をねじ曲げ、蓋をしながら、五体に満足して生きているのは健常者たちだ。
誰よりも現実と闘わされているのは障害者たちなのに。
無知無力な僕はせめてソウルを誇る。
弱者は弱者だと叫び、愚かは愚かだと叫ぶ。
僕だってハンディだらけなんだ。
どこかしらの立場に立つ意味すらわからない。
わからないから何かを考えてみたいと思う。

ただ僕は格闘技がすきだ。
人間と人間が必死で闘っている姿が好きだ。
一瞬一瞬に命を賭けて闘うから、リングって感動するのだ。
現実と夢が入り乱れる一夜に、
障害者という人間たちの魂を見たこと。
あの感動は忘れないんだろうな。

コメント

nophoto
モリアーティ
2007年1月31日23:30

偽善を嫌ってシニシズムに陥りたくもない。

そんな俺に少しヒントを与えてくれた本でした。
ただ見て、肌で感じる。
意外とシンプルなことなのかもしれないと。

mura
mura
2007年2月1日9:07

シンプルかー。今度感想聞かせて。

しかし創設時の話はすごいね。
よくここまで大きくしたもんだ。

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