Darwin’s Nightmare
2007年2月27日 映画巷で話題の衝撃作「ダーウィンの悪夢」観てきた。
人類発祥の地・アフリカ。舞台はタンザニア・ヴィクトリア湖のほとりの小さな町。この小さな町に、頻繁に飛行機が降り立っては飛んでゆく。「魚」を積んでゆくのだ。
半世紀ほど前にヴィクトリア湖に放たれた肉食巨大魚「ナイルパーチ」が、美しい湖の在来種を激滅させ、豊かだった生態系を破壊した。いまこの町はその「ナイルパーチ」の漁と加工業でかろうじて成り立っている。
グローバリズムの悪夢の連鎖。産業の変換がもたらす社会の悲劇。
ナイルパーチ依存に落ちたこの町で、当然のように現れる劣悪な環境と圧倒的な貧困は、暴力とストリートチルドレンを生み、売春とエイズとドラッグを生んで。
映像にはあまりにも救いが無い。
魚を運ぶ飛行機のパイロットに群がる売春婦たち。
食べ物を奪い合い殴り合う子どもたち。
安定した生活のためには、軍隊に入るだけでなく戦争だって必要だと言い切るおっさん。
魚を運ぶためにやってくる飛行機には、アフリカの紛争で使われる武器が積まれ。
加工工場の廃棄物であるナイルパーチの残骸を、人々は食料として漁る。
工場の発泡スチロールを燃やし少年たちはラリって死ぬ。
食料援助の一方で、産業誘致成功に胸を張るEU。
たしかにいまナイルパーチがなくなればこの町は終わる。
だがこれはなんなのだ。
悪夢を続けなければならないという悪夢。
「ナイルパーチ」の切り身は、欧州そして日本に輸出されている。僕たちはそれを食っている。昨日食った白身魚は、この悪夢の負の連鎖から生み出されたものかもしれない。
たったそれだけでも、グローバリゼーションは関係ないだなんて僕たちにはとても言えないのではないだろうかと思う。
僕たちの豊かさが廻りまわって、この国の人々の貧困や飢餓を生み出し、戦争を裏で支え、生態系を崩壊させ、環境破壊を許しているのだと、映像は告げる。まさしく進化論のような「世界の摂理」の連鎖の中。僕たちの食卓と地続きの悲劇。
僕たちは何を見せられ、何を見せられていないのか。
これがグローバリゼーションなのか。ダーウィンの悪夢なのか。
ドキュメンタリ映画だから仕方ないのかも知れんが説明不足で。
僕には何一つわからないけど。
観てよかったと。
心を痛める以前に、僕たちは世界のことを何も知らないのだ。
人類発祥の地・アフリカ。舞台はタンザニア・ヴィクトリア湖のほとりの小さな町。この小さな町に、頻繁に飛行機が降り立っては飛んでゆく。「魚」を積んでゆくのだ。
半世紀ほど前にヴィクトリア湖に放たれた肉食巨大魚「ナイルパーチ」が、美しい湖の在来種を激滅させ、豊かだった生態系を破壊した。いまこの町はその「ナイルパーチ」の漁と加工業でかろうじて成り立っている。
グローバリズムの悪夢の連鎖。産業の変換がもたらす社会の悲劇。
ナイルパーチ依存に落ちたこの町で、当然のように現れる劣悪な環境と圧倒的な貧困は、暴力とストリートチルドレンを生み、売春とエイズとドラッグを生んで。
映像にはあまりにも救いが無い。
魚を運ぶ飛行機のパイロットに群がる売春婦たち。
食べ物を奪い合い殴り合う子どもたち。
安定した生活のためには、軍隊に入るだけでなく戦争だって必要だと言い切るおっさん。
魚を運ぶためにやってくる飛行機には、アフリカの紛争で使われる武器が積まれ。
加工工場の廃棄物であるナイルパーチの残骸を、人々は食料として漁る。
工場の発泡スチロールを燃やし少年たちはラリって死ぬ。
食料援助の一方で、産業誘致成功に胸を張るEU。
たしかにいまナイルパーチがなくなればこの町は終わる。
だがこれはなんなのだ。
悪夢を続けなければならないという悪夢。
「ナイルパーチ」の切り身は、欧州そして日本に輸出されている。僕たちはそれを食っている。昨日食った白身魚は、この悪夢の負の連鎖から生み出されたものかもしれない。
たったそれだけでも、グローバリゼーションは関係ないだなんて僕たちにはとても言えないのではないだろうかと思う。
僕たちの豊かさが廻りまわって、この国の人々の貧困や飢餓を生み出し、戦争を裏で支え、生態系を崩壊させ、環境破壊を許しているのだと、映像は告げる。まさしく進化論のような「世界の摂理」の連鎖の中。僕たちの食卓と地続きの悲劇。
僕たちは何を見せられ、何を見せられていないのか。
これがグローバリゼーションなのか。ダーウィンの悪夢なのか。
ドキュメンタリ映画だから仕方ないのかも知れんが説明不足で。
僕には何一つわからないけど。
観てよかったと。
心を痛める以前に、僕たちは世界のことを何も知らないのだ。
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