◇吉村昭『闇を裂く道』

−大正7(1918)年に着工された丹那トンネルは、その完成までに16年もの歳月を要した。日本最長トンネルを富士火山帯断層地帯に貫くという究極悪条件の難事業は、度重なる犠牲を払いながら敢行されたのである。
崩落。湧水。動く断層。救出劇。暴動。
人闇を裂く道に光が射す日、人々は何を思うのか。
終わりなき自然と人間の闘いを圧巻のスケールで描く記録文学。
3年目の坑道大崩壊のストーリーは圧巻の一言。4つの救出ルート。暗闇の8日間。生存者のリアル描写はすごかった。農民の暴動も読みごたえあり。

一次大戦やら満州事変やら、戦時下の状況も密接に絡みつつ、トンネル事業のその後は現代まで引き続いていて、歴史性リアル。

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