イノセントダークの少年
2007年11月19日 ソウルその他 コメント (1)最初、その少年は殻をかぶって閉じていた。
僕は彼の心を開かせようとした。
開いた瞬間ってのは確かにあったんだと思う。
殻を破った彼は、小さな悪魔だった。
その後、僕は、大人の知らない子どもたちの世界を覗くことになる。その大人を味方と認識しさえすれば、子どもたちはむしろ容易にその殻を破り、その正体を晒すのだ。
その少年が決定的に他の子どもと異なる点は、他者を傷付けることに躊躇が無いことであった。彼はいじめに喜びを見出すのである。他の子どもたちは少なからず抱くようなもの、例えば一欠片の罪悪感であったり、報復の恐怖であったり、そういったものが彼にはないのだ。
そのくせ彼は、ときおり、傷付けた相手に対し謝罪をする。そういったケースの場合のほとんどは、状況が彼にとって不利になりそうなときだ。謝罪は孤立を避けるための保身なのだ。
自分の暴力により生まれるものが、事後のフォローやアフターケアでどうにかなると思っている。人をナイフで刺しておきながら、それでもまだ死ぬとは思っていないのだ。
彼は孤立を恐れる。自分で自分を成立させることができないから、集団に依る。協調できるほど力はないから、集団内で居場所を保つには、ネタや敵が必要になってくる。かわいそうになるくらいのイノセンスは、時代に翻弄されながら必死でもがいてる。
そんな彼が僕に聞いてきた。
「人は死んだら、どうなるの?」
僕はハァ!?と大げさにイラついてみせて、
「知らねえよ」と答えた。
彼は毎日開いているというマイデスノートに僕の名前を書いただろうか。
僕は彼の心を開かせようとした。
開いた瞬間ってのは確かにあったんだと思う。
殻を破った彼は、小さな悪魔だった。
その後、僕は、大人の知らない子どもたちの世界を覗くことになる。その大人を味方と認識しさえすれば、子どもたちはむしろ容易にその殻を破り、その正体を晒すのだ。
その少年が決定的に他の子どもと異なる点は、他者を傷付けることに躊躇が無いことであった。彼はいじめに喜びを見出すのである。他の子どもたちは少なからず抱くようなもの、例えば一欠片の罪悪感であったり、報復の恐怖であったり、そういったものが彼にはないのだ。
そのくせ彼は、ときおり、傷付けた相手に対し謝罪をする。そういったケースの場合のほとんどは、状況が彼にとって不利になりそうなときだ。謝罪は孤立を避けるための保身なのだ。
自分の暴力により生まれるものが、事後のフォローやアフターケアでどうにかなると思っている。人をナイフで刺しておきながら、それでもまだ死ぬとは思っていないのだ。
彼は孤立を恐れる。自分で自分を成立させることができないから、集団に依る。協調できるほど力はないから、集団内で居場所を保つには、ネタや敵が必要になってくる。かわいそうになるくらいのイノセンスは、時代に翻弄されながら必死でもがいてる。
そんな彼が僕に聞いてきた。
「人は死んだら、どうなるの?」
僕はハァ!?と大げさにイラついてみせて、
「知らねえよ」と答えた。
彼は毎日開いているというマイデスノートに僕の名前を書いただろうか。
コメント
そういう私も小学生の頃はいじめに加担していた側です。
今更謝っても遅いですよね。