読んだのは、川上弘美の『神様』。主婦作家の川上さんはお家での育児の合間にこの作品を書いたんだって。
−くまが同じアパートに引っ越してきた。天気の良い日。くまに誘われて私はハイキングに出かける。くまが言う。「熊の神様のお恵みがあなたの上にも降り注ぎますように」 熊の神様ってどんな神様なの? 「熊の神様はね、熊に似たものですよ。人の神様は人に似たものでしょう」 なるほどねー。そして天気の悪い日。くまは故郷に帰っていった。
村上春樹も定期的に読む。今回は『羊をめぐる冒険』を読みました。『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』に続く、青春3部作の完結編。「僕」と〈鼠〉の最後の旅。
−「25まで生きるの。そして死ぬの」と言っていたあの彼女が26で死んだ。葬式が終わった後、あなたのことは今でも好きよと言い残して妻が出て行った。北海道に渡ったらしい〈鼠〉からの手紙は、僕をある冒険に巻き込んでゆく。羊が謎と謎を呼ぶ。耳のモデルをしている新しいガールフレンドと一緒に、僕は一頭の羊と〈鼠〉の行方を探す旅に出る。終わるべくして終えるべき僕らの最後の旅が始まった。
〈鼠〉は「僕」に語りかける。静かに何かが揺れ動く。
「もちろん誰にだって欠陥はある。しかし僕の最大の欠陥は僕の欠陥が年を追うごとにどんどん大きくなっていくことにある。つまり体の中で鶏を飼っているようなもんだ。鶏が卵を産み、その卵がまた鶏になり、その鶏がまた卵を産むんだ。そんな風にして、そんな欠陥を抱え込んだまま、人間は生きていけるんだろうか?もちろん生きていける。結局の所、それが問題なんだね」
「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさや辛さも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや…。…わからないよ」
僕は読み終わって少し悲しくて少しホッとした。どうにもならないこんな気持ちをしかし静かに読み終えることができるような。これが村上春樹かそうなのかほんとか。なんとなくわかるがねえ。
名のある作家だから良いなんてありえない。でも名のある作家の小説は読んでいきたい。友達が薦めてくれたのとか。濫読っても目安がほしいな。
−くまが同じアパートに引っ越してきた。天気の良い日。くまに誘われて私はハイキングに出かける。くまが言う。「熊の神様のお恵みがあなたの上にも降り注ぎますように」 熊の神様ってどんな神様なの? 「熊の神様はね、熊に似たものですよ。人の神様は人に似たものでしょう」 なるほどねー。そして天気の悪い日。くまは故郷に帰っていった。
村上春樹も定期的に読む。今回は『羊をめぐる冒険』を読みました。『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』に続く、青春3部作の完結編。「僕」と〈鼠〉の最後の旅。
−「25まで生きるの。そして死ぬの」と言っていたあの彼女が26で死んだ。葬式が終わった後、あなたのことは今でも好きよと言い残して妻が出て行った。北海道に渡ったらしい〈鼠〉からの手紙は、僕をある冒険に巻き込んでゆく。羊が謎と謎を呼ぶ。耳のモデルをしている新しいガールフレンドと一緒に、僕は一頭の羊と〈鼠〉の行方を探す旅に出る。終わるべくして終えるべき僕らの最後の旅が始まった。
〈鼠〉は「僕」に語りかける。静かに何かが揺れ動く。
「もちろん誰にだって欠陥はある。しかし僕の最大の欠陥は僕の欠陥が年を追うごとにどんどん大きくなっていくことにある。つまり体の中で鶏を飼っているようなもんだ。鶏が卵を産み、その卵がまた鶏になり、その鶏がまた卵を産むんだ。そんな風にして、そんな欠陥を抱え込んだまま、人間は生きていけるんだろうか?もちろん生きていける。結局の所、それが問題なんだね」
「俺は俺の弱さが好きなんだよ。苦しさや辛さも好きだ。夏の光や風の匂いや蝉の声や、そんなものが好きなんだ。どうしようもなく好きなんだ。君と飲むビールや…。…わからないよ」
僕は読み終わって少し悲しくて少しホッとした。どうにもならないこんな気持ちをしかし静かに読み終えることができるような。これが村上春樹かそうなのかほんとか。なんとなくわかるがねえ。
名のある作家だから良いなんてありえない。でも名のある作家の小説は読んでいきたい。友達が薦めてくれたのとか。濫読っても目安がほしいな。
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