ブルーダークの少年の記憶【Ⅲ】-1
2005年12月15日 エッセイみんなは「修学旅行」とかいう誰にでも訪れるあの「思い出」イベントで、何か心に残ったブルーダークな思い出はあるだろうか?
枕投げとか愛の告白とかバカ騒ぎとか大事故とか?人に見られたらヤバイドキドキものや、「思い出」を作るために共有したワクワクものや、その他たくさんたくさんあるっしょ多分さ。 だけど、takebonoの高校の時の修学旅行といえば、そんな数々のトレンディーなものよりも、どこか奇妙で切なく素敵なある一つの思い出だけが記憶に残っています。
あの夜、真っ暗闇の部屋の中で、月明かりに照らされた揺らめくマルボロの煙の中で、静かに静かに語り出したあいつの横顔を僕は今でも思い出すんだ。今回はそんな修学旅行の思い出話だよ。
◆
修学旅行はいつものように無視するつもりだった。中学校の時も林間学校とか修学旅行や遠足の類もサボったし、行く気も全く無かった。何で?って親や教師とかによく聞かれたけど、周囲を納得させる理由は用意できなかったので明確には答えられなかった。単純だけど僕は人が嫌いで集団が嫌いで、トレンドは吐き気するくらい嫌いだったからというのが理由だったんだけど、理解されないだろうなあとか思ってた。用意された出来合いのトレンド消費イベントに金と時間かけるのも二重に吐き気を催させた。僕は「☆高校生活☆」に死ぬほど気が滅入っていたからだ。第一、2日も3日もクラスの連中と一緒にいられるかって、冗談じゃねえって、思ってたからだった。
最初から行く気もなかったし、当時規則的に学校に通ってなかったこともあって、なんか僕の知らないところで、あれなに?班ていうの?旅行先のホテルの部屋割りが勝手に組まれてて、僕はある3人のクズと一緒の部屋割り班に入れられていた。これがひっでえメンツ!まさに行き場のない掃き溜まりクズ班。AKとHIとYEのクズ3人組。それプラスtakebonoで最クズ4人班。担任教師はクズをひとまとめにすることで、修学旅行を無事進行させたかったのだろうね。
「クズ班」メンバー紹介。まずロン毛の「AK」は、池袋のチーマーみたいな感じの奴。学校内外でつるむクズ共の(昔ならヤンキーとか呼ばれる系のクズか)中心的存在ぽいんだけど、かわいそうにクラス内でつるむ奴がいないの。校舎内の他の場所とか違うクラスではクズ仲間とつるんでるのよく見かけたけど、自分のクラスの教室では誰も友達いないの。だから教室にいるときはいつも寝てるか隣の女の子と話してばっかいる奴だった。僕の後ろの席でこいつはたまにからんできたりして、マジでイラつくし大嫌いだった。 次に、多少大人びた整った顔立ちの「HI」は、AKの後ろの席の奴でAK唯一の教室内の友達なんだけど、ほとんど学校にきてないので留年がほぼ決定してる奴だった。背が高くて長めの黒髪で、末はホストか、じゃなければ爽やかで売れないスポーツタレントみたいな奴だった。ほんとたまに学校くるときはずっと寝てる奴だった。こいつはホントにたまにしか学校にこないけど修学旅行にはいくのか??と僕は不思議でたまらなかった。 最後に、チンピラみたいな雰囲気の「YE」は、教室ではいつも寝てて、放課後になると背の小さな彼女が迎えに来て、寄り添いながら一緒に帰ってく姿がいつもの光景だった。黒いときを見たことがないくらい年間通じてずっと同じ明るい茶髪で、いつもピアスを付けたり外したりしてた。目つきが悪くて、こいつも教室内ではほとんど誰ともつるまなかったし、たまに凶暴な態度を取るけど基本いつも怠そうにしてる奴だった。 こんなクズ3人と、僕は修学旅行で一緒の班になったわけである。いくら底辺校ってもひどすぎるなぁ「ザ・クズ班」。
まァ知ったこっちゃねェわ、どうせ行かねんだし。そう思ってた僕に、しかし運命は興味深く、数ヶ月後には僕はその3人のまとめ役として、遠き悠久の大地・北海道へ、修学旅行へと向かう飛行機の中にいたのでした。
【つづっく】
枕投げとか愛の告白とかバカ騒ぎとか大事故とか?人に見られたらヤバイドキドキものや、「思い出」を作るために共有したワクワクものや、その他たくさんたくさんあるっしょ多分さ。 だけど、takebonoの高校の時の修学旅行といえば、そんな数々のトレンディーなものよりも、どこか奇妙で切なく素敵なある一つの思い出だけが記憶に残っています。
あの夜、真っ暗闇の部屋の中で、月明かりに照らされた揺らめくマルボロの煙の中で、静かに静かに語り出したあいつの横顔を僕は今でも思い出すんだ。今回はそんな修学旅行の思い出話だよ。
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修学旅行はいつものように無視するつもりだった。中学校の時も林間学校とか修学旅行や遠足の類もサボったし、行く気も全く無かった。何で?って親や教師とかによく聞かれたけど、周囲を納得させる理由は用意できなかったので明確には答えられなかった。単純だけど僕は人が嫌いで集団が嫌いで、トレンドは吐き気するくらい嫌いだったからというのが理由だったんだけど、理解されないだろうなあとか思ってた。用意された出来合いのトレンド消費イベントに金と時間かけるのも二重に吐き気を催させた。僕は「☆高校生活☆」に死ぬほど気が滅入っていたからだ。第一、2日も3日もクラスの連中と一緒にいられるかって、冗談じゃねえって、思ってたからだった。
最初から行く気もなかったし、当時規則的に学校に通ってなかったこともあって、なんか僕の知らないところで、あれなに?班ていうの?旅行先のホテルの部屋割りが勝手に組まれてて、僕はある3人のクズと一緒の部屋割り班に入れられていた。これがひっでえメンツ!まさに行き場のない掃き溜まりクズ班。AKとHIとYEのクズ3人組。それプラスtakebonoで最クズ4人班。担任教師はクズをひとまとめにすることで、修学旅行を無事進行させたかったのだろうね。
「クズ班」メンバー紹介。まずロン毛の「AK」は、池袋のチーマーみたいな感じの奴。学校内外でつるむクズ共の(昔ならヤンキーとか呼ばれる系のクズか)中心的存在ぽいんだけど、かわいそうにクラス内でつるむ奴がいないの。校舎内の他の場所とか違うクラスではクズ仲間とつるんでるのよく見かけたけど、自分のクラスの教室では誰も友達いないの。だから教室にいるときはいつも寝てるか隣の女の子と話してばっかいる奴だった。僕の後ろの席でこいつはたまにからんできたりして、マジでイラつくし大嫌いだった。 次に、多少大人びた整った顔立ちの「HI」は、AKの後ろの席の奴でAK唯一の教室内の友達なんだけど、ほとんど学校にきてないので留年がほぼ決定してる奴だった。背が高くて長めの黒髪で、末はホストか、じゃなければ爽やかで売れないスポーツタレントみたいな奴だった。ほんとたまに学校くるときはずっと寝てる奴だった。こいつはホントにたまにしか学校にこないけど修学旅行にはいくのか??と僕は不思議でたまらなかった。 最後に、チンピラみたいな雰囲気の「YE」は、教室ではいつも寝てて、放課後になると背の小さな彼女が迎えに来て、寄り添いながら一緒に帰ってく姿がいつもの光景だった。黒いときを見たことがないくらい年間通じてずっと同じ明るい茶髪で、いつもピアスを付けたり外したりしてた。目つきが悪くて、こいつも教室内ではほとんど誰ともつるまなかったし、たまに凶暴な態度を取るけど基本いつも怠そうにしてる奴だった。 こんなクズ3人と、僕は修学旅行で一緒の班になったわけである。いくら底辺校ってもひどすぎるなぁ「ザ・クズ班」。
まァ知ったこっちゃねェわ、どうせ行かねんだし。そう思ってた僕に、しかし運命は興味深く、数ヶ月後には僕はその3人のまとめ役として、遠き悠久の大地・北海道へ、修学旅行へと向かう飛行機の中にいたのでした。
【つづっく】
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