筆者が知っているある自然食品店は、お客もほとんど見当たらないのにたくさんの商品群が通路や階段にまで山積みされているという謎の店。膨大な「在庫」を抱えてるくせに、やっぱりいつまでも潰れないで開店を続けている。なぜ潰れないの? “謎を解け”

まずは「在庫」の話から。一方で売り物であるはずの在庫は、会計では「罪庫」とも言われるほどやっかいな存在。それは、「棚卸減耗損(在庫を長い間抱えることにより生じるリスク)」「在庫管理にかかる人件費」「場所の問題」等々により、維持費とでもいうべき「在庫コスト」が生じるからだ。
商売するなら「売り切れ」と「在庫ナシ」状態をつくってはいけないのだけど、「多くてはダメだが無いと困る」のが在庫であり、その量の微妙な調整が重要なんだとさ。だからITで在庫調整したり、店頭ディスプレイの配置でうまいことやったりするんだそうです。

不良在庫が増えると、卸業者など生産者や仕入れ先への代金を払えなくなって、銀行とかの資金繰りがショートして倒産するわけです。銀行からの資金繰りは結局借金なので利息払い等を考えると必要以上は借りない方が良いのは当たり前だし、資金は投資に回した方が良い(と株主も圧力をかける)から、企業の財務課はギリギリのラインで資金を持っておき、ショートしないように資金繰りをするのです。支払期限を引き延ばすための「手形」はそんなときに役立ちます。または「掛取引」において代金回収を早めるのも策の一つです。小売業は「現金商売」であって、売り上げと代金の同時獲得ができるから、資金ショートのリスクが少ない業種です。そごうやダイエーが潰れたときすぐ買収の手が上がったのはそのためなんだって。

〈新年度から一人暮らしする人へ〉…家賃は3ヶ月まとめて一気に支払った方が良いそうだよ。たったそれだけで大家さんの「代金回収の不安・面倒(総じてリスク)」が無くなるから。大家と仲良くしといて損はないはず。どんな経営者も資金繰りの不安を抱えてるのだな。

だいぶ脱線したけどそれでは最初に戻って、膨大な在庫を抱える自然食品店の謎解き。この店は「在庫コスト」がかかりすぎて資金ショートしないのか?客もいないのになぜ潰れないのか?
答えは簡単でした。謎の自然食品店の正体は、ネット宅配がメインの店だったのです。店舗は在庫置き場をせっかくだからとお店にしただけのものだった。だからたくさんの商品が積まれてるのにお客がいなかったわけです。人件費や場所代も、倉庫運営より効率的だったそうです。

「在庫」の恐さがわかった所で、各企業の「在庫減らし」努力を紹介。 まず「バーゲンセール」。バーゲンに衣料品が多いのは、ファッションは「流行」が変わりやすくて常に「時代遅れ」による不良在庫化のリスクがあるから。虫食いとかもあるし、衣料品は総じて在庫コストがかかるそうです。「在庫一掃セール」は、商品の新しい店への移動コストを少しでも減らすため。以下その他。
・福袋
・「店長(シェフ)のオススメ」
・新装開店セール(在庫一掃セールの残り)

以前うちの兄が働いてたスーパーの話。マグロのサクってあるよね。かたまりで売ってるやつ。実は品物としてはあれが一番新鮮で、あれが古くなったらバラして「刺身○点盛り」とかに利用して、さらに古くなったら磨り潰して「ネギトロ」や「つみれ」に利用するんだって。あとお総菜にも利用する。(サク→刺身→ミンチかお総菜の具)の順に古くなってるんだと。サクが一番新鮮なのです。マグロはサク買いして、調理したり刺身にしたりするのが一番新鮮なの食べれるってことね。 しかしこれ軽い偽装工作じゃんと思ったのは僕だけか?これが発展するとラベルごと貼り替えたりするんじゃねえの。

「在庫減らし」は各企業が死にものぐるいで頑張ってるハードワーク。商品の販売状況のオンライン管理に始まって、その最近の究極の形が「受注生産」。売れない物は最初から作らず、受注して初めて作るってやつ。もはや時代は大量生産大量消費モデルも超える生産市場の形が出現するに至ってる。

でも僕の部屋には無駄な物がたくさんあります。なかなか捨てられないものばかり。

在庫といえば、(まあ全然関係ないけど)今日Nちゃんと小岩のイトーヨーカドーに行きました。えっと?何で行くことになったんだっけ?忘れた。 そんで、屋上のファミリーランドがあまりにも懐かしかった。昔はよくきてたっけ。デパートの屋上の子どもの遊び場スペースってどんどん消えてるらしいけど、あそこはまだ残ってた。独特の雰囲気。夕焼けに染まる下界の街並みがきれいで、寒かったけど見入った。 店の在庫減らしに協力したかったけど、何も買い物しなかった。

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