非正規労働の主役たちについて論じます。主役はなんといっても女性と若者です。
『労働力調査』によると、女性労働者の半数以上は非正規労働です。一方、男性は8割が正社員です。「男性は正社員、女性は非正規社員」という、性に基づく「差別的雇用体系」は定着している、といっていいのかな? 女性は結婚後はどうしても再就職型になるし、家庭との両立を考えると非正規労働になってしまうからです。
一般的に、女性はライフスタイルの選択により就業形態が大きく変わりうるとされてます。正社員として働き続けた女性の生涯賃金は、パート再就職女性に比べ2.6倍、退職後に専業主婦になった女性と比べると驚愕の4.5倍。出産・育児のために家庭に入ることで失われた収入を指す「機会費用」が高すぎるのである。「機会費用」は子どもを育てる教育費とは別のもので。この知識集約型産業下では、子どもを中流以上の生活ができる社会人に育てたいーという教育エゴが生まれたりすると、またさらーにお金がかかるのです。少子化になるの当たり前じゃないですかァ。 ずっとずっとずっと色々な多くの多くの多くの人が言い続けてきてることですが、仕事と家庭が両立できる環境を整備するしかないのだと思います。シングルマザーってすごいと思う。

若者の非正社員化も深刻です。全体では男性は8割が正社員にもかかわらず、15歳〜24歳の男性の非正社員比率は4割を超えています。女性は5割を超えています。現代の若者の半数近くは非正社員なのですね。 自分の周りみてごらんよ。友達にも非正社員たくさんいるはずだよ。意識の問題でも勿論あるのだけど、勿論それ以上に本質的な構造の問題でもあります。

非正規労働者は生活の基盤を当然つくれません。女性は夫に、若者は親に、それぞれパラサイトしてます。でもだんだん親世代もリタイヤしていき、年金受給世代になってゆきます。団塊世代は2007年前後に大量リタイヤします。親世代もまた社会にパラサイトしてゆくのですね。なんだよそれ。 親世代ももういつまでも子をパラサイトさせるゆとりがなくなってくと、パラサイト族は行き場を失うのでは?という懸念があります。 たぶんろくなことにならない。

フリーターの子どもを持つ親たちの不安――
「がんばって家も建てた。住宅ローンも完済した。名実ともに中流の暮らしを満喫しようと思ったが、まてよ、30歳を過ぎてもフリーターをしている我が子は、少々気張って建てたマイホームを維持できるのだろうか。固定資産税だって払ってゆけるのだろうか。ひょっとしたらこの家は、我ら夫婦一代のものでしかなく、息子の代になったら手放すことになるのではなかろうか。だとすれば、家を持つって何だったのだろう…」

切実といえるのか。うーん。 亡き後は血の繋がった者に託したいという親心を、フリーターどもが無駄にし、中流の象徴であるマイホームは一代の砂上の楼閣でしかなくなるのかもって。でも、そんなことわかってたことっつうか…。うーん。

夫にパラサイトする既婚女性も不安でいっぱい。夫のリストラ、病気、浮気…。女性の再就職は家計の補助ではなく自立的なものになるべきなのか。うーん。
子どもは親を頼ることに慣れ、妻は夫を頼ることに慣れ、夫は頼られることに慣れてしまっているという。社会制度はもう頼ることもできなくなるかもしれないね。

僕はでも、頼っていいと思うんだ。余力があるなら頼られていいと思うんだ。全員が完全に自立するよりも、ある部分ある部分を信頼しあって生活してくことだと。非正規労働の主役である女性と若者を全て正社員にすることは無理だし無意味。でもそこにつけ込んでやりたい放題する企業が出てくるのを、やはり駆逐して、非正規労働内でどうにか安定させていくことだと思う。確かに利用はされてるんだけど、持ちつ持たれつだし労使交渉をしていくしかないし、あとやっぱり支援するシステムは必要だと思う。夢追いフリーターはそれでもいいけど、腰掛けフリーターや、正社員になれなくて仕方なくフリってる人とか不本意な非正規社員とかは、支援してほしい。月並みだが。フェアなルールを作ることだと思う。

非正規雇用がこれほど身近になり、「ライフスタイルの多様化の反映」はいつしか真の問題点を隠す便利文句となってる。破壊されているものが何かをちゃんと見なければ、知らず知らずのうちに今度は僕ら自身が何かを破壊し、破壊されてしまうかもしれない。
頭の悪い若者はみんな搾取構造に喰われてく。頭のいい若者は搾取構造を逃れるためにホリエモンを目指すべきなのか? 気付かなければそれでいいとも言えるのだけど、既に何か確実に壊れているようにも僕には思えるのですが。
〔続く〕

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