此社会、或破壊につき… “5”
2006年2月11日 戯言戯言諸々その他格差拡大・下流・雇用破壊時代を我が社会が迎えるにあたり、とりあえず「フリーター」の再分析でもしよう。
陰鬱な響きである「フリーター」。2005年版の労働白書(厚生労働省)では213万人だったフリーターが、2003年版の国民生活白書(内閣府)では417万人とされている。何をもってして「フリーター」とカウントするか定義が曖昧なためだ。「フリーター」がもともと造語だってことを再認識させられるね。 とりわけ難しいのは、近年の非正社員化で急増した「派遣社員」「契約社員」はフリーターなのかそうじゃないのかどっちなの?って問題だ。それで数が違ってくるからだ。まあしかし定義の問題よりもさ、いま確実に言えるのは多くの人が不安定雇用だってことだ。だから新たにつくればいいんだよ概念定義ワードをさ。シンプルなの考えた。「不安定就業者」。これで充分。 「フリーター」なんて言葉からして利用されてる気がするんだよ。安定してるフリーターだっているし、不安定な正社員だっているさ。そして派遣や契約さんはどっちなのかね。
ちなみに新卒フリーターは大卒で3割、高卒では4割近くいる。その中でも偏差値の低い学校や、成績が悪いほど、やはりフリーター進路率は高い。フリーターは、企業のジョブトレーニングも受けれないし、労働意欲も減退してく傾向が高く、努力を評価するシステム体系も不充実だからモラルハザードまで起こりうるとされている(それにしちゃどこの店もバイトさんは勤勉なように見えるがね)。フリーターの言い分の多くにある「自分探し」「適職探し」は、そもそも未知の体験を多くしないと見えてこないものだと思われるのに、新しい体験自体を避けてしまう消極的フリーターも生まれてる。しかし、「仕事での成功・評価がなければ負け組」のような会社・仕事至上主義や、まかり通る違法や劣悪な労働環境・条件や、やり直しのきく雇用システム、などにおける改善が見られなければ、この社会はなかなか仕事に夢や希望ややりがいが持てる労働社会ではなくて、安易なフリーターが増えるのも仕方がないのだとも言えるのです。 僕はクズだから。フリーターやニートの気持ち少し分かるつもり。こないだ飲んだときKSさんと話して気持ちすごいわかる気もした。僕らは普通に質素に文化的に生活できるだけでいいのにな。過剰生産大量消費社会における労働の意味ってなんなんだろ?過剰な生産もサービスも、それらを売りさばくことも、狂ったような過剰を清算する消費システムに支えられた上で市場競争に晒された雇用労働活動だもんな。賃金も、失業の恐怖も、社会貢献も、夢やらヤリガイとやらも、どのようにか労働意欲なんてものになりうるのでしょうか? 疎外っつうんすかこれ? でも僕は新社会人も、勇気を持ってフリーターになる人も、立ち上がろうとする人たちも、みんなみんなやっぱり応援したいと思うんだよ。
「聞こえるかい?がんばれ!♪」(B・H)
「フリーター」の内情。(『非典型雇用労働者調査・フリーター編』リクルートワークス研究所)
どんな仕事してんのか?…フリーターの7割が従事してるのはやはりサービス業。 どんな所で?…勤務先は従業員30人未満の小規模企業・事業所。 年収は?…ピンキリ(状況によって違う「質的格差」なのだ)。平均年収は男性156万、女性122万。学歴はほぼ反映しない。 フリーターの中にも格差はあるの?…経験の有無と年齢が大きく関わる。正社員経験者(男性)は平均201万に対し、未経験者(同)は136万である。30〜34歳フリーター(男性)は203万に対し、18〜19歳フリーター(同)は126万である。 フリーターの世界も年功社会なのかね。そしてフリーターしかしたことがない人はやはり低収入生活から抜け出すのが難しいんだって。
同年代のフリーターと正社員の賃金格差は約3.7倍。生涯賃金格差は4.2倍。その他、税金も消費支出も年金額にも大きな格差が生じ、多大な影響を日本社会に及ぼしうるとされてる(何言ってやがるって感じだけども)。非正社員化社会はGDPも押し下げる懸念もあるが、これが少子高齢化などの社会変動とマッチしてどのような事態になりうるのか、まだ僕には想像もできないな。
男性プーがよくいうのが、「女性(フリーター)は結婚という逃げ道があるからいいよね」という皮肉。だが女性フリーターもパートナーがフリーターであることがやはり多くて、不安定は変わらなかったりするという逆皮肉。フリーター女性の方がやはり正社員女性よりも結婚では遅れをとっているというデータもある。やはり結婚は経済力である。 90年代前半までには、フリーター女性も正社員女性も、パートナーである夫の経済力にはあまり格差はなかったという。雇用情勢が厳しくなる90年代後半になると、前者の夫の年収は低くなっている。そうなるとやはり男の奪い合いなのかな。 そんなわけでフリーター女性は結婚後も働くことが多い。
仕事を持っている子どもの親との同居率は全体で4割強だが、その中でもやはり正社員の方が低く、非正社員は高い。結婚率も正社員より非正社員の方が低い。そりゃそうですよ。生活基盤とは、お金だ。 経済的不安定なら当然結婚には消極的になるし、どんなに誠実でもパートナーとしてフリーターは選ばれにくいのである。ある元IT社長はこんなことを言っている。その通りかもなと思うし、こいつ死ねばいいのにとも思う。
「お金を持つだけで、精神的なものも高みに上がる。そしてそのお金に女性もついてくる」(byホリエモン)
「結論を言えば、経済的に不安定なフリーターが増えれば増えるほど、非婚・晩婚というライフスタイルの選択に拍車をかけ、少子化もさらに進行するはずである」(p42)
フリーターの大量出現に良い面はないの? 筆者が一つ言ってます。「男が働き女が家事」という固定的性別役割分業は崩壊するんじゃないか、ってこと。おお。フェミニスト万歳。なにしろ年収が男女とも平均で200万に届かないのだから、当然共働きだから、家事は折半にでもしないとやってられんだろう。実に男女平等で相互理解だ。男性は「妻子を食わせて一人前」的な伝統的「沽券」から解放され、女性は「内助の功」的な女の「務め」から無縁になる。共倒れしないために共に働き、「結婚」は真の平等な共同体システムとなるであろう。…万歳。貧乏万歳。男女平等下流社会万歳。ろくでもねえよ。万歳。
しかしまあ新たな価値観みたいなものは実際生まれてくるかもしれないな。
〔続く〕
陰鬱な響きである「フリーター」。2005年版の労働白書(厚生労働省)では213万人だったフリーターが、2003年版の国民生活白書(内閣府)では417万人とされている。何をもってして「フリーター」とカウントするか定義が曖昧なためだ。「フリーター」がもともと造語だってことを再認識させられるね。 とりわけ難しいのは、近年の非正社員化で急増した「派遣社員」「契約社員」はフリーターなのかそうじゃないのかどっちなの?って問題だ。それで数が違ってくるからだ。まあしかし定義の問題よりもさ、いま確実に言えるのは多くの人が不安定雇用だってことだ。だから新たにつくればいいんだよ概念定義ワードをさ。シンプルなの考えた。「不安定就業者」。これで充分。 「フリーター」なんて言葉からして利用されてる気がするんだよ。安定してるフリーターだっているし、不安定な正社員だっているさ。そして派遣や契約さんはどっちなのかね。
ちなみに新卒フリーターは大卒で3割、高卒では4割近くいる。その中でも偏差値の低い学校や、成績が悪いほど、やはりフリーター進路率は高い。フリーターは、企業のジョブトレーニングも受けれないし、労働意欲も減退してく傾向が高く、努力を評価するシステム体系も不充実だからモラルハザードまで起こりうるとされている(それにしちゃどこの店もバイトさんは勤勉なように見えるがね)。フリーターの言い分の多くにある「自分探し」「適職探し」は、そもそも未知の体験を多くしないと見えてこないものだと思われるのに、新しい体験自体を避けてしまう消極的フリーターも生まれてる。しかし、「仕事での成功・評価がなければ負け組」のような会社・仕事至上主義や、まかり通る違法や劣悪な労働環境・条件や、やり直しのきく雇用システム、などにおける改善が見られなければ、この社会はなかなか仕事に夢や希望ややりがいが持てる労働社会ではなくて、安易なフリーターが増えるのも仕方がないのだとも言えるのです。 僕はクズだから。フリーターやニートの気持ち少し分かるつもり。こないだ飲んだときKSさんと話して気持ちすごいわかる気もした。僕らは普通に質素に文化的に生活できるだけでいいのにな。過剰生産大量消費社会における労働の意味ってなんなんだろ?過剰な生産もサービスも、それらを売りさばくことも、狂ったような過剰を清算する消費システムに支えられた上で市場競争に晒された雇用労働活動だもんな。賃金も、失業の恐怖も、社会貢献も、夢やらヤリガイとやらも、どのようにか労働意欲なんてものになりうるのでしょうか? 疎外っつうんすかこれ? でも僕は新社会人も、勇気を持ってフリーターになる人も、立ち上がろうとする人たちも、みんなみんなやっぱり応援したいと思うんだよ。
「聞こえるかい?がんばれ!♪」(B・H)
「フリーター」の内情。(『非典型雇用労働者調査・フリーター編』リクルートワークス研究所)
どんな仕事してんのか?…フリーターの7割が従事してるのはやはりサービス業。 どんな所で?…勤務先は従業員30人未満の小規模企業・事業所。 年収は?…ピンキリ(状況によって違う「質的格差」なのだ)。平均年収は男性156万、女性122万。学歴はほぼ反映しない。 フリーターの中にも格差はあるの?…経験の有無と年齢が大きく関わる。正社員経験者(男性)は平均201万に対し、未経験者(同)は136万である。30〜34歳フリーター(男性)は203万に対し、18〜19歳フリーター(同)は126万である。 フリーターの世界も年功社会なのかね。そしてフリーターしかしたことがない人はやはり低収入生活から抜け出すのが難しいんだって。
同年代のフリーターと正社員の賃金格差は約3.7倍。生涯賃金格差は4.2倍。その他、税金も消費支出も年金額にも大きな格差が生じ、多大な影響を日本社会に及ぼしうるとされてる(何言ってやがるって感じだけども)。非正社員化社会はGDPも押し下げる懸念もあるが、これが少子高齢化などの社会変動とマッチしてどのような事態になりうるのか、まだ僕には想像もできないな。
男性プーがよくいうのが、「女性(フリーター)は結婚という逃げ道があるからいいよね」という皮肉。だが女性フリーターもパートナーがフリーターであることがやはり多くて、不安定は変わらなかったりするという逆皮肉。フリーター女性の方がやはり正社員女性よりも結婚では遅れをとっているというデータもある。やはり結婚は経済力である。 90年代前半までには、フリーター女性も正社員女性も、パートナーである夫の経済力にはあまり格差はなかったという。雇用情勢が厳しくなる90年代後半になると、前者の夫の年収は低くなっている。そうなるとやはり男の奪い合いなのかな。 そんなわけでフリーター女性は結婚後も働くことが多い。
仕事を持っている子どもの親との同居率は全体で4割強だが、その中でもやはり正社員の方が低く、非正社員は高い。結婚率も正社員より非正社員の方が低い。そりゃそうですよ。生活基盤とは、お金だ。 経済的不安定なら当然結婚には消極的になるし、どんなに誠実でもパートナーとしてフリーターは選ばれにくいのである。ある元IT社長はこんなことを言っている。その通りかもなと思うし、こいつ死ねばいいのにとも思う。
「お金を持つだけで、精神的なものも高みに上がる。そしてそのお金に女性もついてくる」(byホリエモン)
「結論を言えば、経済的に不安定なフリーターが増えれば増えるほど、非婚・晩婚というライフスタイルの選択に拍車をかけ、少子化もさらに進行するはずである」(p42)
フリーターの大量出現に良い面はないの? 筆者が一つ言ってます。「男が働き女が家事」という固定的性別役割分業は崩壊するんじゃないか、ってこと。おお。フェミニスト万歳。なにしろ年収が男女とも平均で200万に届かないのだから、当然共働きだから、家事は折半にでもしないとやってられんだろう。実に男女平等で相互理解だ。男性は「妻子を食わせて一人前」的な伝統的「沽券」から解放され、女性は「内助の功」的な女の「務め」から無縁になる。共倒れしないために共に働き、「結婚」は真の平等な共同体システムとなるであろう。…万歳。貧乏万歳。男女平等下流社会万歳。ろくでもねえよ。万歳。
しかしまあ新たな価値観みたいなものは実際生まれてくるかもしれないな。
〔続く〕
コメント