伊藤たかみ『八月の路上に捨てる』。今季の芥川賞受賞作。こないだMM氏ん家にあった文藝春秋めくってて、まあ毎度のことらしいけど右翼都知事石原王が「またしても不毛」とボロクソってたので読みたくなって読んだ。
普通によかったよ。芥川賞っていつもこんなふうによい。大体文学なんてちゃんとわかってないもんだから。 とにかく現代の底辺リアルがさらりと描かれてるなあと。僕がいいなと思ったところは、たぶん都知事がつまらなく思ったところなのだろうと思うけど。要するにこの作品はフリーター文学ってやつだ。フリーターの人は読んだ方がよいかもねえ。

−或る暑過ぎる夏の一日。僕は30歳を目前に離婚する。自動販売機補充のバイトは今日もしんどい。相方の水城さんはシングルマザーでトラック乗り。彼女は今日でトラックを降りる。
色褪せる夢。迫り来る現実。すれちがい。なんにもなくても幸せだったあの頃はもう戻ってこない。こんな時代にこんな人生を歩む。八月の路上に捨てたもの。もうどうしょうもないアスファルト。

もうたんたんたん。淡々。
震えて読むフリーターいるかもしんねえな。
僕は、少し違うんだよね。なんでだろ。同じ無根拠のくせにそう思うの。

コメント

nophoto
パステル
2006年9月30日1:52

初めまして。
私も読みましたが、ほんと、普通に面白かったと思います。
もうどうしようもないアスファルトって、まさにそんな感じでした。
石原さんって毎年毎年、不毛だって言ってますけど、実際あの人の感受性が不毛なんでしょうねえ…。
それ以前に、小説家でもないし(笑

mura
mura
2006年9月30日17:00

パステルさんはじめまして。
僕も読んでて、生きてるどうしようもなさが淡々と描かれるのがよいなあと思いました。都知事にゃわかんねーんだろうなと。
都知事の作品も読んでみたいと思う今日この頃です。

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