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2006年12月11日 読書
◇吉村昭『朱の丸御用船』。N先生、おもしろかつたよ。歴史小説って、読むの眠いんやけど、なんかすげえ残るねえ。

−江戸末期、志摩国波切村の沖に、難破した御城米船(幕府領の年貢米輸送船)が流れ着く。村の漁民たちは、積み荷の年貢米を密かに強奪することに成功する。村ぐるみの犯行は完全に隠蔽されたかに見えたが、難破船に隠された意外な事実が発覚し、村は最悪の悲劇に見舞われる。

生産物に対し合法的な強奪がそもそも行われていて、その過程においてまた強奪が行われて、その流れ着いた先でも強奪が。自然の恵みに対し人間は網をかけ、また網をかけられてもいる。
いつの世も弱い立場の者は、それだけで歴史の悲劇を生んでいるな。
ラストにゃホロリと。

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