この夜の悪意

悪意を見た。
普通の人間から生まれる悪意を見た。
悲しかった。すごく悲しかった。
何の根拠もなく、人は人を憎むことができるんだなあ。
罪のない他者に、罪のない悪意を放つことができちゃうんだなあ。
戦争とかテロとか差別とか、人間が起こしてきた信じられないような歴史は、なるほどこれなら起きるわけだわと思った。
人間は人間から見ても愚かなんだな。
僕らが普段「○○死ね！」だとか、ギャグであったり多少怒りを込めたものだったりするような感覚の次元とは全く別の、別の悪意がほんとに身近に存在する。
信念や正義や具体的な利害とグッチャグッチャになって存在する。
人を傷付けようという考えに立脚した、人を傷付けるためだけの言葉や行いが実際に生まれてる。
どんなに理屈で理解しようとしても、まず感情のレベルで僕はこの悪意を許すことができない。
教養と豊かさを持った大人の愚かな悪意だ。一人一人はたぶん善人なのだから。
きっとこれが現実の一面だ。僕はリアクションをとらなければいけない。