◇角田光代『エコノミカル・パレス』

-34歳フリーター。年下の同姓相手はプライド高き失業者。自由に代償があるならば、それは最初からわかっていたように私たちを襲う、どこにでもある経済的困窮というやつだった。脱することすらも億劫なほどの現実に、ある日二十歳の男からかかってきた「テキ電」が、私をどーしょーもねえちゃちな恋に落とさせた。
これまで誇るだけ誇ってきた、自分という人間らしさが立脚する居場所のようなもの。それが「若さ」とゆう特権に守られていたことに気付くとき、私は時代が私たちを救わないということにやっと気付く。魂がすでに、時代に追い付かれていることを。追い越されてゆくのを呆然と見つめることしかできないことを。

あとがきに書いてあった。
ちいさく、みみっちく、しみったれた、おかしさ。
角田さんの文章がすきなのはやっぱりそうゆうところ。

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