ノベルを述べる182
2009年4月19日 読書
◇あさのあつこ『バッテリー』
-中学入学前の春休み、岡山県境の地方都市・新田に引っ越してきた原田巧。彼は孤高の天才ピッチャーだった。傲慢なほどの絶大な自信と、何者にも縛られぬ意志の下に、彼の野球は存在した。鮮烈な輝きを放つ巧に惹かれてゆく同級生の永倉豪は、バッテリーを組むことを夢見るのだった。
児童文学の域を超え、白球の行方に光と影を鮮やかに映し出す、少年野球ドラマ。
この国に蔓延する「少年」へのまなざし。
自分自身という個への徹底的な執着をみせる巧が投じる伸び上がるストレートが、豪の構えるミットまでの18.44Mを貫くとき、彼は成長過程にあるという身体と精神をもってして、自らの表現する生き方を背負う瞬間に立つ。
誰かが論じた「少年」と、キャッチャーミットと白球の行方だけを追い求めるこの少年は、対峙する。都合の良い闇など一つも無く、少年はマウンドに立っているのだ。
「おれのやりたいのは野球なんじゃ。野球っていうのは一人じゃできんからな」
-中学入学前の春休み、岡山県境の地方都市・新田に引っ越してきた原田巧。彼は孤高の天才ピッチャーだった。傲慢なほどの絶大な自信と、何者にも縛られぬ意志の下に、彼の野球は存在した。鮮烈な輝きを放つ巧に惹かれてゆく同級生の永倉豪は、バッテリーを組むことを夢見るのだった。
児童文学の域を超え、白球の行方に光と影を鮮やかに映し出す、少年野球ドラマ。
この国に蔓延する「少年」へのまなざし。
自分自身という個への徹底的な執着をみせる巧が投じる伸び上がるストレートが、豪の構えるミットまでの18.44Mを貫くとき、彼は成長過程にあるという身体と精神をもってして、自らの表現する生き方を背負う瞬間に立つ。
誰かが論じた「少年」と、キャッチャーミットと白球の行方だけを追い求めるこの少年は、対峙する。都合の良い闇など一つも無く、少年はマウンドに立っているのだ。
「おれのやりたいのは野球なんじゃ。野球っていうのは一人じゃできんからな」
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