◇夢枕獏『魔獣狩り〈暗黒編)』

聖地高野山から強奪された空海を奪還すべく、密教僧・美空とサイコダイバー・九門鳳介は、文成仙吉と初遭遇。秘密結社“ぱんしがる”の暗黒祭に乗り込んだ3人を待ち受けるは、獣師猿翁と獣人蟠虎! 裏で怪老人・黒御所の野望が渦巻く中、激突!

おもしろい。
何人殺してんだ。
◇夢枕獏『魔獣狩り〈淫楽編〉』

魔獣狩りほんっとおもしろいねー。
獏キテるわこれ。

◇歌野昌午『葉桜の季節に君を想うということ』


これがミステリ賞総なめか。
消化された上で美味しくない。
イラッとする騙し方かもね。

ロスチャイルド

2009年2月21日 読書
安部芳裕『金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った』

歴史、経済、社会のあらゆるところにロスチャイルド。
マネーのルールをつくりし者たちの、ブッダの掌のごとき自由市場経済。
陰謀でもなんでもなく、これだけの経済システム、仕切ってる者はいる。
誰かがつくった世界だもの。


◇角田光代『愛がなんだ』

すげー話。
主人公のテルちゃんが、惚れそなほど愛しい。痛い。

そうなの。
誰かが好きになるようなところを、自分は好きになったんじゃないんだろうよね。たぶん。
そんな言葉にできる理屈さえもどーでもいい。
愛がなんだ。
僕のこの気持ちに比べれば。
愛がなんだ。

◇阿佐田哲也『麻雀放浪記(四)番外編』

やっと番外編を読めました。3巻までが坊や哲の伝説3部作らしいけど、この第4巻番外編も相当に面白い。主人公はドサ健。なんつってもドサ健。かっこよすぎるぜ。

青天井のドラ爆弾三千万点はイカれ震え。
◇西尾維新『クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い』

西尾維新まあまあやね。特に面白いというほどでもないが。また借りよう。

-絶海の孤島の財閥令嬢が、5分野5人の天才を招待した日、密室首斬り殺人の連鎖が始まった。工学の天才美少女「青色サヴァン」玖渚友とその友人「戯言遣い」のいーちゃんが、クビキリサイクルに挑む。

「君の意見は完全に間違っているという点に目を瞑れば概ね正解だ」


◇乙一『死にぞこないの青』

ひさしぶりに乙一。

-5年生に進級したマサオのクラスに新任の先生がやってきた。かっこよくて優しくて、すぐにみんなに慕われるようになった先生が、ある日ふとしたことからマサオを叱る。その日以来、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、先生はそれを全部マサオのせいにするようになった。段々とエスカレートしていくマサオいじめのルールにクラスが飲み込まれていく中、マサオの前に「死にぞこない」の男の子が現われた。彼の名は「アオ」。


小学校のクラスというあの世界独特のエグさ。よく書けるものだ。

世界のなかで

2009年2月12日 読書
池田香代子・マガジンハウス『世界がもし100人の村だったら 完結編』

お馴染みのシリーズの完結編。
世界がもし100人の村だったら。
世界は世界に対し何が出来るのだろう。

このわかりやすさへ対して何か言えてしまうことが、どうか現実逃避でありませんように。

◇夢枕獏『獅子の門 朱雀編』

板垣の画はすきだけど、画が入ってないのを読みたかったからずっと読まなかったんだけど、これしか出てないようなのでしかたなく。
とにかくやっと朱雀編を読めた。

-かつて羽柴彦六の出会った5人の若者が、運命に導かれるかのように、獅子の門を開き、相見える。
室戸武志のフジプロレスがブラジリアン柔術に苦杯をなめ、
志村礼二が師とあがめる闇武道家・久我重明がそのブラジリアン柔術を一蹴した。
逃避行を続ける竹地完を追いつめた久我重明の前に現れた羽柴彦六。運命と因縁の死闘が始まった!!

そしてトーナメント開幕。北辰館の威信・加倉文平。孤高の天才・芥菊千代。久我重明が送り込む志村礼二。そして竹地完の緊急参戦。室戸武志もプロレスから出陣する。
遂に運命の5人が同じステージへ。

あら面白い。
続きどーなるのだろ。
◇村上春樹『TVピープル』

久々に春樹の短編集。
高度資本主義をいじくり返す春樹の日本語と独特の雰囲気。
そんなものに魅力を感じてた頃が懐かしいくらい。
仕事場のイスで勤務時間内に読み終えた。
◇夢枕獏『新・餓狼伝〈巻ノ1〉秘伝菊式編』

-柔聖・前田光世は倒されていた!! 何者かの手によって奪われたスクネ流秘伝書をめぐり、日本格闘技界はいま静かに揺れていた。
そんな中、東洋プロレス主催の一大イベント「バーリトゥード・チャレンジ」が開幕する。復活を遂げる梶原! 葵流を背負い出陣する飛丸! 暗躍するブラジリアン柔術家・マカコとの死闘の中で、プロレスの矜持を見せつける伊達! 激突する関根音と長田弘! 丹波文七の相手は、伝説のレスラー・カイザー武藤だ! トリをつとめるはもちろんグレート巽。相手はあの堤城平であった!
いやどの試合も目が離せないね!

伊達の魂のプロレスに震え!

教育社会学

2009年1月24日 読書
『爆笑問題のニッポンの教養 我働く ゆえに幸あり? 教育社会学 (爆笑問題のニッポンの教養 30)』

お馴染み爆笑問題のNHKの番組のやつ。
この回のゲストは僕が学生のときよくその著書を読ませていただいた本田先生。

どの人にもその人なりに、普遍的な世の矛盾というやつにぶち当たり、切り開いたり、立ち止まったり、その人なりに向き合い、出し続けている答えがある。

とりわけ教育システム、というやつと、
結局はその背景にある労働市場というやつを、
重ねながらまなざしながら、こんな形になっていったというかんじに、親近感を覚えます。

僕は、教育というやつを喰らっていた当時から、労働市場というやつをまなざさなかった日は一日としてなかったよ先生。


ケー罪

2009年1月20日 読書
根井雅弘『経済学はこう考える』

資本主義を嘆き、社会主義を憂いたマーシャル。
市場経済の欠陥をまなざし、資本主義を救ったケインズ。
等々、その他にもいろんな歴史的な経済学者がとりあげられています。

経済は進化する生もの。経済学は生ものを追って進化し続けてる。
いつのときも、その時々の政治ってやつが市場メカニズムってやつに対してとる立ち位置とそのバランス、採用する政策にあるようなかんじ。

わかりやすい議論がいくらでもとっくの昔からなされているのなら、やっぱり経済の在り方なんか僕たちには無理で、だから政治なのでしょうか。

「変えることのできない過去とまだ未知の将来との間に、たえず動きつつある瞬間において人間は生活しているのだ」(J.Robinson)


マーシャルに申し訳ないなと思った。


◇角田光代『エコノミカル・パレス』

-34歳フリーター。年下の同姓相手はプライド高き失業者。自由に代償があるならば、それは最初からわかっていたように私たちを襲う、どこにでもある経済的困窮というやつだった。脱することすらも億劫なほどの現実に、ある日二十歳の男からかかってきた「テキ電」が、私をどーしょーもねえちゃちな恋に落とさせた。
これまで誇るだけ誇ってきた、自分という人間らしさが立脚する居場所のようなもの。それが「若さ」とゆう特権に守られていたことに気付くとき、私は時代が私たちを救わないということにやっと気付く。魂がすでに、時代に追い付かれていることを。追い越されてゆくのを呆然と見つめることしかできないことを。

あとがきに書いてあった。
ちいさく、みみっちく、しみったれた、おかしさ。
角田さんの文章がすきなのはやっぱりそうゆうところ。

◇阿佐田哲也『麻雀放浪記(三)激闘編』

-敗戦から7年。闇市は消え、マーケットが現れた。無数の会社が現れ、人間を雇っていった。坊や哲は上野にいた。博打が全てを賭けるものではなくなった時代に、尚も彼には博打しかなかった。
凄絶な最終章。

「なァ、ドサ健―――麻雀打ちには暮しにくい時世になったって、お前もいつかいってたじゃないか。暮しにくけりゃ、暮さなきゃいいんだ」


◇阿佐田哲也『麻雀放浪記(二)風雲編』

-戦後混乱期を抜け、復興期へと移りゆく時代・日本。坊や哲はヒロポンを握りしめ上野にいた。東京を逃げるように乗り込んだ夜行は博打列車。行き着いた先は賭博都市・大阪。
大阪ルール・ブー麻雀との死闘。
コンビ打ち戦争。
麻雀寺での地獄戦。

痛快。
◇阿佐田哲也『麻雀放浪記(一) 青春編』

-東京が焼け野原だった頃、上野駅の地下道を占拠したバタ屋部落の一角に、いつしか現れた賭博場「チンチロ部落」。そこにその少年は現れた。彼が後の坊や哲であった。
雀鬼・ドサ健。ガンの清水。片腕の上州虎。女衒の達。そして雀神・出目徳。
凄まじきライバルたちと繰り広げられる壮絶な死闘に酔う。

「手前っちは、家つき食つき保険つきの一生を人生と思っていやがるんだろうが、その保険のおかげで、この世が手前のものか他人のものか、この女が自分の女か他人の女か、すべてはっきりしなくなってるんだろう。手前等にできることは長生きだけだ。糞ォたれて我慢して生きてくんだ。ざまァみやがれ、この生まれぞこない野郎」

出目徳の命をかけた麻雀に震え。
◇伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』


-「誰かが不幸になるのは、まっぴらなんだって」

引っ越し先のアパートで出会った彼は、僕にある計画を持ちかけた。
「一緒に本屋を襲わないか?」
彼の標的は、なんと、たった一冊の広辞苑だった。

ボブディランを口ずさみ、生まれ変わることを必死で信じたあの頃。
神様が少しだけ目をそらす場所で、涙をふきながら。

他人に興味がなかった彼女は、2年後に弱者を救う。
「この国はね、自分だけは平気だと思い込んでいる馬鹿で溢れているんだよ」

彼は照れくさそうに言う。
「神様を閉じこめに行かないか?」


伊坂ワールドにまたしてもやられた。


腐敗神話

2008年12月26日 読書
山口二郎『若者のための政治マニュアル』

タイトルの胡散臭さのわりに中身は普通によかった。
全部当たり前でまっとうなこと。

だけどその当たり前でまっとうなことが、ろくに守られていないから腐敗だというのだ。
マニュアルを読ませる力さえないのだ。
いろんなものがまともなら、こんなくだらんマニュアル必要ないんだ。

わずかに残された、社会を変える力。
具体的に、動くことだね。

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