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2007年10月19日 読書
◇石田衣良『ブルータワー』
ナウシカとアキラを合わせたような。ダイラのSF。
−壊滅した世界にそびえ立つ最後の塔。天界と地上を戦う人々。平凡だった一人の男は、やがて愛を知り、夢を見る。世界を崩壊から救うために、誰かのために涙が流れるとき、魂の震えは彼を立ち上がらせた。
「人間は矛盾に満ちた存在です。憎みながら愛し、壊しながら創る。最低と思われていた者が、次の瞬間には別人のように変身し、人間性の頂点に立つ。崇高さと愚かさ、醜い欲望と透明な憧れに引き裂かれ、日々を生きている。わたしたちAIは、決して間違えることはありませんが、そのようなまぶしい跳躍も、矛盾に苦しむこともできません。
わたしが人から学んだのは、0と1、正と邪の二進法ではなく、その両者の状態を受け入れることでした。オンでもオフでもあり、あなたでもわたしでもある。人格を構成するプログラムのすみずみにまで、その成果を反映させるために、これほどの時間がかかったのです。
わたしは今日、信頼にこたえるという言葉の意味を初めて理解しました。…誰かに信じてもらえるというのは、とても素晴らしいことですね」
ナウシカとアキラを合わせたような。ダイラのSF。
−壊滅した世界にそびえ立つ最後の塔。天界と地上を戦う人々。平凡だった一人の男は、やがて愛を知り、夢を見る。世界を崩壊から救うために、誰かのために涙が流れるとき、魂の震えは彼を立ち上がらせた。
「人間は矛盾に満ちた存在です。憎みながら愛し、壊しながら創る。最低と思われていた者が、次の瞬間には別人のように変身し、人間性の頂点に立つ。崇高さと愚かさ、醜い欲望と透明な憧れに引き裂かれ、日々を生きている。わたしたちAIは、決して間違えることはありませんが、そのようなまぶしい跳躍も、矛盾に苦しむこともできません。
わたしが人から学んだのは、0と1、正と邪の二進法ではなく、その両者の状態を受け入れることでした。オンでもオフでもあり、あなたでもわたしでもある。人格を構成するプログラムのすみずみにまで、その成果を反映させるために、これほどの時間がかかったのです。
わたしは今日、信頼にこたえるという言葉の意味を初めて理解しました。…誰かに信じてもらえるというのは、とても素晴らしいことですね」
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2007年10月17日 読書
◇乙一の『ZOO』
乙一のホラー短編集です。どの作品もそれなりに良いと思う。
−毎日家に届く恋人の腐乱死体写真。犯人はおれ。涙を流し、怒りに震え、俺の「犯人捜し」は続いてる…。(『ZOO』)
短編集の中ではたぶん『SEVEN ROOMS』が一番会心。グロい。グロいんだけど、そこは乙一。止まらない展開と衝撃のラスト。この読後感といったら、これは…、これは読んでみて感じてと言うほか無い。
『クローゼット』がすきだね。
『神の言葉』『陽だまりの詩』も悪くない。
『落ちる飛行機の中で』も良いね。
乙一のホラー短編集です。どの作品もそれなりに良いと思う。
−毎日家に届く恋人の腐乱死体写真。犯人はおれ。涙を流し、怒りに震え、俺の「犯人捜し」は続いてる…。(『ZOO』)
短編集の中ではたぶん『SEVEN ROOMS』が一番会心。グロい。グロいんだけど、そこは乙一。止まらない展開と衝撃のラスト。この読後感といったら、これは…、これは読んでみて感じてと言うほか無い。
『クローゼット』がすきだね。
『神の言葉』『陽だまりの詩』も悪くない。
『落ちる飛行機の中で』も良いね。
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2007年10月16日 読書
◇絲山秋子『逃亡くそたわけ』
−逃げるのに理由なんていらない。
21歳の夏、あたしは精神病院から逃げ出した。思いつきで誘った24歳の茶髪男「なごやん」のボロ車で、あたしたちは九州の田舎町を駆け抜けた。くそたわけな夏の物語。
絲山さんの文章は少しだけすき。
−逃げるのに理由なんていらない。
21歳の夏、あたしは精神病院から逃げ出した。思いつきで誘った24歳の茶髪男「なごやん」のボロ車で、あたしたちは九州の田舎町を駆け抜けた。くそたわけな夏の物語。
絲山さんの文章は少しだけすき。
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2007年10月13日 読書
◇夢枕獏『餓狼伝〈13〉』
うわ結局読み切っちった。最終巻といっても『新・餓狼伝』とタイトルを変えるだけで普通に続いてくらしいんじゃん。物語の中の時間進行は数年なのに、何十年かけて書き続けてやがるんだ、獏先生よう。
迷走する文七。
野望に向かう姫川。
再び現れた堤城平。
再び燃え上がる伊達。
そして最大の見せ場は、究極の対決!!
あのグレート巽が息を呑んだ!
松尾象山VS力王山ッッッ!!!
これはっすごいですよっ。
どっちも応援しちゃったわさ。
今度は、バーリ・トゥードだ。
なんでもあり。
なんだ、それって、おれたちがいつもやってきたことだ。
プロレスのルールで、ガチンコをやれってだけのことだ。
やってやろうじゃないか。プロレスをだ。
見せてやろうじゃないか。ガチンコのプロレスを。
めしゃっ。
ぐじっ。
おおおおおお!!!
うわ結局読み切っちった。最終巻といっても『新・餓狼伝』とタイトルを変えるだけで普通に続いてくらしいんじゃん。物語の中の時間進行は数年なのに、何十年かけて書き続けてやがるんだ、獏先生よう。
迷走する文七。
野望に向かう姫川。
再び現れた堤城平。
再び燃え上がる伊達。
そして最大の見せ場は、究極の対決!!
あのグレート巽が息を呑んだ!
松尾象山VS力王山ッッッ!!!
これはっすごいですよっ。
どっちも応援しちゃったわさ。
今度は、バーリ・トゥードだ。
なんでもあり。
なんだ、それって、おれたちがいつもやってきたことだ。
プロレスのルールで、ガチンコをやれってだけのことだ。
やってやろうじゃないか。プロレスをだ。
見せてやろうじゃないか。ガチンコのプロレスを。
めしゃっ。
ぐじっ。
おおおおおお!!!
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2007年10月12日 読書 コメント (2)
◇品川ヒロシ『ドロップ』
品川庄司の品川祐が書いた青春小説。
自伝入ってんのかな。不良少年たちの青春劇。
−東京・狛江を舞台に繰り広げられる不良共の青春賛歌。
喧嘩。悪戯。抗争。血と汗と涙で濡れたそれぞれの手は、ときに隣同士の互いを繋ぎ合った。落ちこぼれたちの散華した青春。
まあまあ。
おもしろくないという巷の意見がわかる一冊。
そうゆうものでよいとも思う一冊。
品川庄司の品川祐が書いた青春小説。
自伝入ってんのかな。不良少年たちの青春劇。
−東京・狛江を舞台に繰り広げられる不良共の青春賛歌。
喧嘩。悪戯。抗争。血と汗と涙で濡れたそれぞれの手は、ときに隣同士の互いを繋ぎ合った。落ちこぼれたちの散華した青春。
まあまあ。
おもしろくないという巷の意見がわかる一冊。
そうゆうものでよいとも思う一冊。
ウォーレン・クロマティ, ロバート・ホワイティング『さらばサムライ野球』
クロマティのエッセイ。
つらつら読める。
立派な日米文化比較論になってる。
この頃のカープは本当に強かったんだな。
そういやこないだハッスルにでてたなクロマティ。
クロマティのエッセイ。
つらつら読める。
立派な日米文化比較論になってる。
この頃のカープは本当に強かったんだな。
そういやこないだハッスルにでてたなクロマティ。
平尾圭吾『バースの日記。』
おもしろかった。
今でこそ大リーグは身近だけど、当時から日米の野球の違いや、海を渡って野球をするってことのリアルを痛感してたのは、他ならぬ助っ人外人たちだったんだな。
この頃のカープ強かったんだな。バースが参ってしまうほど。
おもしろかった。
今でこそ大リーグは身近だけど、当時から日米の野球の違いや、海を渡って野球をするってことのリアルを痛感してたのは、他ならぬ助っ人外人たちだったんだな。
この頃のカープ強かったんだな。バースが参ってしまうほど。
ノベルを述べる129
2007年10月5日 読書
◇村上春樹『国境の南、太陽の西』
またしても久しぶりに春樹。
−小学校時代、同じ「一人っ子」の女の子の友達が出来る。25年後、2人は再会し、激しい恋におちた。
日常は、喪失感と共に過ぎ去り続ける。愛されていたものは、変わらない僕であり、致命的に欠落な僕だった。
「でも結局のところ、僕はどこにもたどり着けなかったんだと思う。僕はどこまでいっても僕でしかなかった。僕が抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。どれだけまわりの風景が変化しても、人々の語りかける声の響きがどれだけ変化しても、僕はひとりの不完全な人間にしか過ぎなかった」
いつのまにか、とでも言うべきなんだろうか。心地よさと吐き気を伴いながら。僕たちはいつのまにか、何かを語れるくらい、恥ずかしげもなく、自分を特別に思いこみそして追い込むんだろう。他人に触れたくて仕方がなかったあの頃とは、寂しさとは何かも実はまだよく知らなかった時代のことだったのだ。
欠如を修正してゆく過程で僕たちは大人になってゆくという。
その欠如そのものへの喪失感が残っているのだから、たまらない。
またしても久しぶりに春樹。
−小学校時代、同じ「一人っ子」の女の子の友達が出来る。25年後、2人は再会し、激しい恋におちた。
日常は、喪失感と共に過ぎ去り続ける。愛されていたものは、変わらない僕であり、致命的に欠落な僕だった。
「でも結局のところ、僕はどこにもたどり着けなかったんだと思う。僕はどこまでいっても僕でしかなかった。僕が抱えていた欠落は、どこまでいってもあいかわらず同じ欠落でしかなかった。どれだけまわりの風景が変化しても、人々の語りかける声の響きがどれだけ変化しても、僕はひとりの不完全な人間にしか過ぎなかった」
いつのまにか、とでも言うべきなんだろうか。心地よさと吐き気を伴いながら。僕たちはいつのまにか、何かを語れるくらい、恥ずかしげもなく、自分を特別に思いこみそして追い込むんだろう。他人に触れたくて仕方がなかったあの頃とは、寂しさとは何かも実はまだよく知らなかった時代のことだったのだ。
欠如を修正してゆく過程で僕たちは大人になってゆくという。
その欠如そのものへの喪失感が残っているのだから、たまらない。
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2007年10月3日 読書 コメント (1)
◇法月綸太郎『密閉教室』
−早朝の教室で、血の海に沈んでいた男子高校生。窓もドアも密閉されていた。そして、四十八組あったはずの机と椅子が、すべて消えていた。この異様な事件の真相は如何に?
うっおお、ちっからわざーっ!
推理小説書きたくなったった。
−早朝の教室で、血の海に沈んでいた男子高校生。窓もドアも密閉されていた。そして、四十八組あったはずの机と椅子が、すべて消えていた。この異様な事件の真相は如何に?
うっおお、ちっからわざーっ!
推理小説書きたくなったった。
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2007年9月28日 読書
◇夢枕獏『餓狼伝〈11〉』
??まできたった。とまらない。
NWオクタゴントーナメント編。おもしろすぎ。
イカれすぎ松尾象山。
姫川強すぎ。
はまるわさ。
怒りではない。
恐怖ではない。
憎しみでもない。
哀しみでもない。
シンプルな、暴力。
純粋な、暴力。
混ざりものがない、暴力の結晶体。
暴力への飢え。渇望。
己れの拳が生み出す暴力に、酔う。
暴力に、酔う。
「これだよ」
と、そう言って、日本人は、右の拳を握ってみせた。
まるまるとした、拳であった。
ふっくらとして、ごつくない。
優しくて、太い。
「これを、当てればいいのさ」
日本人は、にこやかに微笑してそう言った。
惚れぼれするほど、自信に満ちた笑みだった。
「これが当たって、立っていたやつはいないよ」
うおおお。
ぐちぃっっ!!
??まできたった。とまらない。
NWオクタゴントーナメント編。おもしろすぎ。
イカれすぎ松尾象山。
姫川強すぎ。
はまるわさ。
怒りではない。
恐怖ではない。
憎しみでもない。
哀しみでもない。
シンプルな、暴力。
純粋な、暴力。
混ざりものがない、暴力の結晶体。
暴力への飢え。渇望。
己れの拳が生み出す暴力に、酔う。
暴力に、酔う。
「これだよ」
と、そう言って、日本人は、右の拳を握ってみせた。
まるまるとした、拳であった。
ふっくらとして、ごつくない。
優しくて、太い。
「これを、当てればいいのさ」
日本人は、にこやかに微笑してそう言った。
惚れぼれするほど、自信に満ちた笑みだった。
「これが当たって、立っていたやつはいないよ」
うおおお。
ぐちぃっっ!!
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2007年9月26日 読書
◇綾辻行人『殺人鬼』
立ち読みしてたら読み終えてた。本屋さんごめんなさい。
とにかくこれはオエッグロッスプラッタ。綾辻流どんでん返しもあることはあるけど、なんかややこしい。
−サマーキャンプで双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」。だがそこは殺人鬼が潜む山だった。地獄の殺戮が開始され、次々と惨殺されていくメンバーたち。凄惨な殺戮劇はいつ終わるのか!?殺人鬼の正体は?
立ち読みしてたら読み終えてた。本屋さんごめんなさい。
とにかくこれはオエッグロッスプラッタ。綾辻流どんでん返しもあることはあるけど、なんかややこしい。
−サマーキャンプで双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」。だがそこは殺人鬼が潜む山だった。地獄の殺戮が開始され、次々と惨殺されていくメンバーたち。凄惨な殺戮劇はいつ終わるのか!?殺人鬼の正体は?
曙太郎『「曙」』
表紙がお気に入り。ただそれだけで僕の手元にある本。
伝説のボブサップ戦までの軌跡が描かれてます。
さあ、あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!
誰一人応援してくれなくても、俺たちがついていることを忘れるんじゃねえぜ!
表紙がお気に入り。ただそれだけで僕の手元にある本。
伝説のボブサップ戦までの軌跡が描かれてます。
さあ、あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!あっけぼのっ!
誰一人応援してくれなくても、俺たちがついていることを忘れるんじゃねえぜ!
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2007年9月22日 読書 コメント (1)
◇夢枕獏『餓狼伝』。
一気に?巻まで読んだった。おもしろすぎる。と、止まらねー。
葵文吾が切ない切ない。
姫川は強いなあ。
丹波と梶原の再再戦が切ない。
どこまで行くんだ丹波!
何故、闘うのか。
何故、人は闘うのか。
この問いに答えることのできる者が、いるであろうか。
勝ちたい――
何ものかに勝ちたい。
魂が擦り減るほどの勝ちたいという想い。
人は魂のために闘う――
それは、答えになっているであろうか。
人は、己れの魂のために闘う。
そうなのか。
それは、答になっているのか。
人は、何故、闘うのか?
一気に?巻まで読んだった。おもしろすぎる。と、止まらねー。
葵文吾が切ない切ない。
姫川は強いなあ。
丹波と梶原の再再戦が切ない。
どこまで行くんだ丹波!
何故、闘うのか。
何故、人は闘うのか。
この問いに答えることのできる者が、いるであろうか。
勝ちたい――
何ものかに勝ちたい。
魂が擦り減るほどの勝ちたいという想い。
人は魂のために闘う――
それは、答えになっているであろうか。
人は、己れの魂のために闘う。
そうなのか。
それは、答になっているのか。
人は、何故、闘うのか?
大平光代『だから、あなたも生きぬいて』
この本すきだった。昔読んだときはわけもわからず涙ぐんでた。
いまよくわかる。
勇気づけられてたんだね。
人の生き方に。
自分なんてちっさいなあて。
いまは生きづらい時代。
本当に諦めたらあかんのは、競われるような可能性よりも、もっともっとシンプルな、
それは生きることへの喜びそのものなんだろう。
だから僕は生きてるのが楽しいんだ、という、自分なりの生を喜ぶ不文律のような。
楽しくなければ人生じゃないのさあ。
この本すきだった。昔読んだときはわけもわからず涙ぐんでた。
いまよくわかる。
勇気づけられてたんだね。
人の生き方に。
自分なんてちっさいなあて。
いまは生きづらい時代。
本当に諦めたらあかんのは、競われるような可能性よりも、もっともっとシンプルな、
それは生きることへの喜びそのものなんだろう。
だから僕は生きてるのが楽しいんだ、という、自分なりの生を喜ぶ不文律のような。
楽しくなければ人生じゃないのさあ。
ノベルを述べる124
2007年9月19日 読書
◇乙一『暗いところで待ち合わせ』
−視力をなくし、独り静かに暮らしていたミチルの家に、殺人犯として追われるアキヒロが逃げ込んだ。居間の隅にうずくまるアキヒロと、他人の気配に怯えるミチル。「いる」のに、いない振りをする。二人の奇妙な同棲生活が始まった―。
傷を持つ者同士がだんだんとひかれ合ってゆくのが切ない。
暗闇の中で光を見つけてゆく様子が切ない。
乙一っぽい、無駄のない、それでいて素敵な。
ホッとさせてくれる裏切り方は素敵だ。
暗闇の中で気付く眩しさ。
傷を負う者だけが感じる優しさ。
人はそれでも人に救われる。
−視力をなくし、独り静かに暮らしていたミチルの家に、殺人犯として追われるアキヒロが逃げ込んだ。居間の隅にうずくまるアキヒロと、他人の気配に怯えるミチル。「いる」のに、いない振りをする。二人の奇妙な同棲生活が始まった―。
傷を持つ者同士がだんだんとひかれ合ってゆくのが切ない。
暗闇の中で光を見つけてゆく様子が切ない。
乙一っぽい、無駄のない、それでいて素敵な。
ホッとさせてくれる裏切り方は素敵だ。
暗闇の中で気付く眩しさ。
傷を負う者だけが感じる優しさ。
人はそれでも人に救われる。
ノベルを述べる123
2007年9月18日 読書
◇乙一『夏と花火と私の死体』
−九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。
乙一のデビュー作がこれ。
それっぽい。
情景がいい。
田舎の村。夏休み。夕暮れの森。死体。花火。神社。
−九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく―。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄妹の悪夢のような四日間の冒険が始まった。
乙一のデビュー作がこれ。
それっぽい。
情景がいい。
田舎の村。夏休み。夕暮れの森。死体。花火。神社。
雨宮処凛『生きさせろ! 難民化する若者たち』
興味深く読んだ。いろんなことが見えた。こんな時代のこんな状況は、こうゆうスタイルでもっと描かれる必要があるな。
雨宮処凛じゃなくても。誰でも。
一昔前ならば普通に生きられた若者達が、怒濤のように変化する世界の波に飲み込まれて息もできなくなってゆく。
僕は常日頃思うが、新聞なりニュース番組なりの「深刻化」って言葉は、それ自体深刻な匂いがしない。本当に深刻なのは現在進行形のリアルだけだと。
これ10年20年後誰かが何かがどうにかなる。ろくでもないことになる。
こうゆうことだなと。
時代は随分とそんな方向に変わり続ける。
こんな時代になってゆくことも知っている。
だからこれは、生存権を賭けた闘いでいい。
恵まれてる者がわかったふりして、試行錯誤したふりして楽に諦めて見向きもせずに。
弱い者たちがさらに弱い者を叩く。
これは貧困との闘いだ。
能力の差も、選択の差も、生活困難や過酷な状況に陥るほどの罪や責任であるわけない。
最低限のものを守る闘いに躊躇いは無い。
これからの僕たちは、数多の議論を真摯にぶつけ合ってる場合でもない時代に突入するんだろう。
ならば、声を上げる。
自分たちの、ただささやかな生活を守るために。
人間らしく生きたいだけ。
叫んだ声は必ずや徹底的に叩かれる。
大小様々な言い分に。そしてこれはそうゆう問題で良い。
叩かれ潰されたあとで。その声は少しずつ届く。
それが声なんだから。
声を上げてやるぜ。
声を上げられることを恐れている連中に。声を上げてやるぜ。
バカヤロウ。
待ってろ。
興味深く読んだ。いろんなことが見えた。こんな時代のこんな状況は、こうゆうスタイルでもっと描かれる必要があるな。
雨宮処凛じゃなくても。誰でも。
一昔前ならば普通に生きられた若者達が、怒濤のように変化する世界の波に飲み込まれて息もできなくなってゆく。
僕は常日頃思うが、新聞なりニュース番組なりの「深刻化」って言葉は、それ自体深刻な匂いがしない。本当に深刻なのは現在進行形のリアルだけだと。
これ10年20年後誰かが何かがどうにかなる。ろくでもないことになる。
こうゆうことだなと。
時代は随分とそんな方向に変わり続ける。
こんな時代になってゆくことも知っている。
だからこれは、生存権を賭けた闘いでいい。
恵まれてる者がわかったふりして、試行錯誤したふりして楽に諦めて見向きもせずに。
弱い者たちがさらに弱い者を叩く。
これは貧困との闘いだ。
能力の差も、選択の差も、生活困難や過酷な状況に陥るほどの罪や責任であるわけない。
最低限のものを守る闘いに躊躇いは無い。
これからの僕たちは、数多の議論を真摯にぶつけ合ってる場合でもない時代に突入するんだろう。
ならば、声を上げる。
自分たちの、ただささやかな生活を守るために。
人間らしく生きたいだけ。
叫んだ声は必ずや徹底的に叩かれる。
大小様々な言い分に。そしてこれはそうゆう問題で良い。
叩かれ潰されたあとで。その声は少しずつ届く。
それが声なんだから。
声を上げてやるぜ。
声を上げられることを恐れている連中に。声を上げてやるぜ。
バカヤロウ。
待ってろ。
ノベルを述べる122
2007年9月14日 読書
◇石田衣良『下北サンデーズ』
−春から大学1年生になる里中ゆいかは、生まれて初めて芝居の魅力をおしえてくれた劇団「下北サンデーズ」に入団する。演劇の街・下北沢を舞台に、弱小劇団の大活躍を描く。
盟友takenatu氏が演劇をやっていたから少しわかるなー。
それでも芝居の持つソウルが、彼らを集わせるんだよね。
現実の演劇者たちはこの小説のようなハピーエンドにも、それに近き生き方にも決してならないけども、むしろ僕はそれがソウルなのだと。
大勢に認められなくても、誰かが見てる。誰かが涙を流す。
ちいちゃい文化で震わせることが存在意義だと思うな。
−春から大学1年生になる里中ゆいかは、生まれて初めて芝居の魅力をおしえてくれた劇団「下北サンデーズ」に入団する。演劇の街・下北沢を舞台に、弱小劇団の大活躍を描く。
盟友takenatu氏が演劇をやっていたから少しわかるなー。
それでも芝居の持つソウルが、彼らを集わせるんだよね。
現実の演劇者たちはこの小説のようなハピーエンドにも、それに近き生き方にも決してならないけども、むしろ僕はそれがソウルなのだと。
大勢に認められなくても、誰かが見てる。誰かが涙を流す。
ちいちゃい文化で震わせることが存在意義だと思うな。
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2007年9月10日 読書
◇石田衣良『灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6)』
ダイラのこのシリーズは結構面白くてずっと読んでるんけど、しばらく読んでなかったうちに何冊か出てたのでまた読み始める。
シリーズも6にきてマンネリといえばそうなのだが、マンネリのくせに最後まで読ませるソウルがいつもある。
−池袋のストリートは鮮やかな闇で彩られる無法の生活圏。人々は黒でも白でもなく、灰色で生きている。暴走する黒も、悪意を潜ませる白も、汚れたの街を焼き尽くそうとする権力たちも、この灰色の街を傷付ける奴らだ。
トラブルシューター・マコトは今日も事件を解決するために走る。
ダイラのこのシリーズは結構面白くてずっと読んでるんけど、しばらく読んでなかったうちに何冊か出てたのでまた読み始める。
シリーズも6にきてマンネリといえばそうなのだが、マンネリのくせに最後まで読ませるソウルがいつもある。
−池袋のストリートは鮮やかな闇で彩られる無法の生活圏。人々は黒でも白でもなく、灰色で生きている。暴走する黒も、悪意を潜ませる白も、汚れたの街を焼き尽くそうとする権力たちも、この灰色の街を傷付ける奴らだ。
トラブルシューター・マコトは今日も事件を解決するために走る。